明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常

元大学教員が綴るこれまでの経過と現在 。なお、入院と本格治療の経験については、00から34あたりまでをお読みください。 。

明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常77 現代のディーヴァ候補?

こんにちは。

 

オミクロン株による新規感染が拡大してしまい、少々うんざりしている今日この頃ですが、皆さんお変わりないでしょうか。ヨーロッパの状況を見ると、いくつかの国では既にピークは過ぎたところもあるようで、しかも、死者数はさほど増えていません。もちろん、だからといって安心はできませんが、何とか一日も早く収束してくれるといいですね。

 

さて、気を取り直して今回の本題です。前回投稿の最後にディーヴァという言葉を使いましたが、私はMISHAさん以外にも将来そのような存在になれるのではないか、と秘かに思っている歌手がいます。歌手、というよりグループなのですが、リトル・グリー・モンスター(Little Glee Monster)という女性ヴォーカル・グループがここ数年の私のお気に入りです。すでに紅白歌合戦への出演経験もありますので、歌は聴いたことがなくても、名前ぐらいは知っている、という方もいらっしゃるでしょうか。

2014年に6人組としてメジャー・デビューした彼女達ですが、まだ全員20歳代前半。キャリアをかなり積んでいる割には、まだまだ若い世代と言えるでしょう。(ちなみに、一人脱退したため、現在は5人組で活動しています。)

彼女達の歌をなんとなく聴いたことがある、という人の印象は「歌の上手い娘たち」というものでしょう。たしかに、長期にわたる合宿形式のオーディションを勝ち抜いた人達によって結成されただけあって、個々の歌唱力は、デビュー当初から同世代では図抜けていました。しかし、彼女達の真価は、そんなに単純なところにあるわけではありません。ポップ・コーラス・グループとして超一級の実力をもっているのです。

日本には、アメリカほどではないにせよ、昔からコーラスをウリにするグループはたくさんありました。古いところでは、キングトーンズ(♪グッドナイト・ベイビー・・・これはかなり古い曲です)、サーカス(♪ミスター・サマータイム・・これも懐メロになってしまいました)、ゴスペラーズ(♪ひとり・・これはある程度若い人もご存じかもしれませんね)など。「ハモネプ」ブームもありましたね。しかし、はっきり言って、どのグループも、「メンバーで声を合わせる」ことに精一杯で、本当の意味で魅力的なパフォーマンスをできていません。ところが、リトル・グリー・モンスター(リトグリ)はそういったレベルを軽々と超えたハーモニーを聴かせてくれます。リード・ヴォーカルの部分はそれぞれの声を活かした、とても自由で力強い歌声を前面に出す一方で、コーラス・パートはピタリと息を合わせてきます。リードを歌う時とは完全に歌い方を変えて、ハーモニーを作り出すことに専念しているのです。この、ケース・バイ・ケースで歌い方を自在に変えることができる、というのが彼女たちの第一の強みなのです。メンバーの一人、かれんさんは、特技として「コーラス」を挙げているのですが、そのことの意味をちゃんと理解している人は意外に少ないかもしれません。

もうひとつ、彼女たちはよくアカペラを披露するのですが、その冒頭の歌いだしで「音取り」、つまりこれから歌いだす最初の音を何かの楽器であらかじめ鳴らす、ということをしません。つまり、自分が出すべき音が完全に頭の中に入っているのです。いわゆる絶対音感というやつですが、これをメンバー全員がもっており、ズレが生じないというところが驚異的なのです。実は、私も幼少の頃絶対音感を養う訓練を受けていて、今でもある程度はそれが残っているのでわかるのですが、絶対音感というのは天賦の才ではなく、飽くことのない反復練習による記憶の刷り込みによって身についていくものです。(もちろん、元々ある程度の音感がないことには話にはなりませんが) 彼女達はそんなに低年齢の頃から訓練を受けていたわけではないはずです。ということは、前述のオーディション等のなかで、徹底的に鍛えられたのだろうと思われます。でも、そんな素振りは一切見せず、軽々と楽しそうに歌ってくれる。そこに、私はディーヴァとしての可能性を感じるのです。

音楽の3要素として、ハーモニー、リズム、メロディがあげられるのですが、コーラスの場合には、これに加えて音色が重要です。そしてこのグループはそれらをバランスよく持ち合わせた、これまでの日本のポップス界にはほとんどいなかった存在なのです。

ただ、懸念材料、というか心配な要素もあります。

ひとつは、彼女達がまだ本当に良い曲に巡り合うことができていないこと。いわゆる現状では「応援ソング」が非常に多く、少し変化が乏しいのも弱点です。これは、今後の展開に期待するしかありません。もうひとつは、5人でやっていくことの難しさ。これから経験を重ねるにしたがって、メンバーそれぞれの音楽志向は異なってくるかもしれません。そんなとき、グループとしてひとつの音楽を作り続けていくことができるのかはわかりません。また、それ以外にもメンバーの一部が何らかの理由で脱落することも十分にあり得ます。現に、ステージではセンターで歌って、周りを引っ張る役割も担っている芹奈さんは、心身のバランスを崩してしまい、双極性障害と診断されたため、一昨年末から長期にわたって離脱していました。昨年夏ごろいったん復帰したのですが、まだ十分な状況ではないらしく、現在は再休養を余儀なくされ、この影響で、グループのライヴ・スケジュールにも大きな影響が出てしまっています。彼女達はまだまだ若いだけに、可能性も無限ですが、リスクもまた様々に考えられるわけです。

今回は、興味のない方にはまったくどうでもよいような話題で失礼しました。でも、この記事を見て「ちょっと聴いてみようかな」と思った方は、YouTube等にたくさん動画がありますので、ちょっと覗いてみてください。ちなみに、6人組時代にゴスペラーズの代表曲「永遠に」をカバーしているのですが、これを聴いたゴスペラーズのメンバーはあまりの素晴らしい出来栄えに「殺意を覚えた 笑」そうです。 https://www.youtube.com/watch?v=em5i_PNnrkY

 

次回は、もう少し誰でも入っていける話題を取り上げたいものです。

今回も、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。