明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常

元大学教員が綴るこれまでの経過と現在 。なお、入院と本格治療の経験については、00から34あたりまでをお読みください。 。

明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常104 京都国際写真祭に行ってきました

こんにちは。

 

今回は少しGWらしい、というか、まだこれといった予定がない方の参考になるかもしれない情報を。

京都では5月8日(日)までの会期で、「京都国際写真祭」(京都グラフィ)が開かれています。10年前から始まったこのイベント、そのホームページには、「日本および海外の重要作品や貴重な写真コレクションを、趣のある歴史的建造物やモダンな近現代建築の空間に展開し、ときに伝統工芸職人や最先端テクノロジーとのコラボレーションも実現するなど、京都ならではの特徴ある写真祭を目指します。」と書かれていますが、要するに、最新の感覚に基づく写真家たちの作品を、京都の伝統的な建物 ―寺院、町屋、大正時代の銀行等―  に展示する、というのが主な内容です。今年は市内10か所で開催されていて、その中には、商店街そのものが会場になっている所もあります。言ってみれば、「伝統と革新の融合」ということになるのですが、実際に鑑賞していくと、それほど単純な図式ではないことがすぐにわかります。 西洋で生まれた写真芸術の中でも、とくに革新的なもの、斬新なものは、決して日本の伝統に寄り添おうとはしません。むしろ対立的なコンセプトではないか、と思われるものもたくさんあります。しかし、そこに生まれる緊張感と衝突こそが、新たな感覚を呼び起こさせるきっかけとなっているのです。

なかにはとても刺激的、というか斬新を超えて突飛とも言える作品もあります。

下の写真を見て、なんだかおわかりでしょうか?


これは200年以上続く帯問屋さんの会場で見たものですが、真ん中の球体は人間の頭で、実は、この店のご主人です。写真家の要求に従って泥の中に頭ごと突っ込んで、そこから顔を出したところを後ろから撮った写真なのです。しかも、それを、伝統的な手法で、細かく裁断して糸にして、帯として織りあげたのがこれなのです。

「こんな帯、誰が締めるんだ???」という素朴な疑問も湧きますが、そんなことはおかまいなしに、とにかくこれまでの「何か」を打ち破り、壊していこうとする意図がはっきりと感じられます。にもかかわらず、帯をつくる手法そのものはきちんと伝統にのっとっているのがが面白いですね。

京都という町は、保守的という一般的なイメージとは裏腹に、案外革新的なことが好きで、昔からこういった「遊び」をおもしろがり、受け入れてきた町です。京都観光を考えておられる方は、こんな側面もあることを頭の隅に置いておくと、街中を散策するときのモノの見方が少し変わるかもしれません。

 

京都国際写真祭 https://www.kyotographie.jp/about/

 

下のネコ君は作品ではありません。(笑) 会場入り口付近にいたのですが、あまりにもサマになっていたので、思わず写真を撮ってしまいました。

 

皆さん

、よい連休をお過ごしください。