明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常

元大学教員が綴るこれまでの経過と現在 。なお、入院と本格治療の経験については、00から34あたりまでをお読みください。 。

明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常119 免疫力で夏を乗りきれ!

こんにちは。

 

急に真夏のような暑さになってきましたね。我が家のあるマンションでも、先日室内で熱中症で倒れられた方がいらっしゃったようで、救急車が出動してきていました。皆さん、くれぐれもお気を付けください。

 

さて、今日はまず前回の補足を少しだけ。

上方落語の大看板であった故桂米朝師匠はこんな言葉を残しているそうです。

「マイクロホンを通した時、声は音になります。」

つまり、人の発する声とともに聴こえてくるはずの息遣いや雰囲気などが、電子回路を通すと薄まってしまい、伝わりにくくなるということですね。米朝師匠自身、大きな会場ではもちろんマイクを使われていたので、頭からこれを否定しているわけではありません。しかし、そういうことを頭に置いたうえで、喋っていく必要があるということが言いたかったのだと思います。これは、Zoom等で仕事に関する打ち合わせや会議をするときにも共通しているのかもしれません。

 

ところで、今回の本題はこれとは全く違って、久しぶりに少し健康に関する話題を取り上げます。

約1か月前、5月21日の投稿(第109回)で、私自身の免疫力がどうやら低空飛行のままであること、そしてそのひとつの指標であるigGを上げるために、ハイゼントラという薬剤を注射することになったということを書きました。それから1か月経って、先日の通院治療で、血液検査をしたところ、igGの値は、前回168から255へと上昇していました。効果があったと言えるようなのですが、標準値は861-1747なので、まだまだ低いままです。主治医は最低でも400を超えるまではこのまま続けましょう、と仰っていましたので、この注射(前にも書きましたが、注射と言いながら、1回約30-40分かかります。)は継続されることになり、病院での滞在時間も長いままとなります。まあ、腹部への皮下注射なので、まったくと言って良いほど痛みはありませんし、ずっと仰向けに寝たままでいればよいだけなので、それ自体は苦痛ではありませんが。

 

ところで、このブログでも免疫力と言う言葉を何回も使ってきましたが、そもそも免疫力とは何なのでしょうか。身体をウイルスや細菌の侵入を防ぎ、病気にかかりにくくする力、というアバウトな説明は誰でもできるでしょう。一般に、この力がアップしたりダウンしたりしている状況は、白血球の値でおおよそ知ることができます。抗がん剤をはじめとする多くの薬剤は、白血球の値を下げてしまうという副作用をもっているため、より注意が必要なのです。また、移植した臓器や組織(骨髄、心臓、腎臓、肝臓など)に対する拒絶反応の抑制、[関節リウマチ、アレルギー性喘息の長期的抑制などの治療の一環として、免疫抑制剤が使われることもあります。こうした場合、当然ながら免疫力は相当低下することになってしまいます。つまり、ひとつの病気を抑えようとしても、他のリスクが増大してしまう、ということですね。

なお、免疫力をつかさどる免疫グロブリンは、体内で発生したがん細胞などにも対応します。したがって、igA、igG等の値が急激に上昇しているとしたら、それは必ずしも良い兆候ではなく、体内でがん細胞が見つかって、それへの対応のために免疫グロブリンががんばっている、ということになるのかもしれないのです。がんの再発はこうした値の変化で見つかることも多いようです。

だからこそ、普段からなるべく免疫力を高めておかなければならない、ということになるのです。すでに薬の副作用などによって免疫力が低下している場合は、私のように「補充療法」が必要になる事もありますが、そうでない方の場合は、何よりも普段からの生活習慣が大事、というのが医師の方々の共通した意見です。そう考えると、暑い夏こそ、免疫力を鍛える良いチャンスなのだ、ということになります。冷たい飲み物の摂りすぎや冷房による身体の冷やしすぎを避け、バランスよい食事と適度な睡眠を心がけるといった熱中症を避けるための方法として一般的に言われていることが、免疫力アップにも有効だそうです。

また、暑いからと言ってシャワーだけで済ませるのではなく、きちんと風呂(40度程度で10分)に入ることも大事みたいですね。これは、私もなかなか実践できていませんが。

 

まだ6月。今年の夏がどのような夏になるのかわかりませんが、体調には十分留意しながら、乗り切っていきたいものですね。

 

今回も、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。