明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常

元大学教員が綴るこれまでの経過と現在 。なお、入院と本格治療の経験については、00から34あたりまでをお読みください。 。

明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常138 江ノ島のエスカレーターと猫

こんにちは。

 

今週は、久しぶりに循環器内科の診察がありました。最近は数値がおおよそ安定しているので、3か月に1度という頻度なのですが、今回も幸いなことに大きな問題は見つかりませんでした。また、埋め込んであるICD(植込み型除細動器)のチェック電池はまだ5年ほどもつ、とのことでした。この機械、電池が寿命になれば再度手術で新しい機械と取り換えなければならないので、いつかはその時期が来るのですが、まあ、今の機械が長く使えるに越したことはないので、少しほっとしています。

 

さて、前回、エスカレーターの乗り方について書きましたが、そこで、ひとつ書き忘れていたことがあります。前回のテーマとは直接関係はないのですが、時々、エスカレーターから降りてそのままその場所に立ち止まってしまう方がいらっしゃいます。そこからどの方向に進むべきなのか迷っておられるのかもしれませんが、あれは止めてほしいですね。後ろから来た人間は、前が詰まってしまっているために、エスカレーターから降りるのに一苦労することになってしまうからです。立ち止まって考えるにしても、とにかく5、6歩は歩いてから(つまり、後ろから来た人にスペースを空けてから)にしてほしいものです。

似たようなことは、電車を降りた時などにも当てはまります。こうした場所は公共の空間であり、周囲の方への配慮を忘れてはいけませんよね。自戒も込めて、そう思う次第です。

 

エスカレーターと言えば、「有料のエスカレーター」があるのはご存じでしょうか。日本国内では、数か所稼働しているようですが、その中でもっとも有名なのは神奈川県江ノ島にある「江ノ島エスカー」でしょう。江島神社入口の石段登り口から江ノ島の頂上まで、長さ106メートル、高低差46メートルを約4分で移動できるもので、料金は大人360円となっています。もちろん、徒歩でもここを上ることはできるのですが、約20分かかりますので、とくに足腰に自信がない方にとってはありがたいものだろうと思います。(ただし、下り用はありません。)残念ながら、建設当時文化庁や地元住民の反発を抑えるためにほとんどの区間がトンネル方式で作られ、両サイドを壁で覆われているため、外の景色を見ながら上がっていくということはできませんが、それでも江ノ島観光のひとつの目玉になっているようです。そして特筆すべきことは、これが開通したのが1959年、つまり今から60年以上も前だったことです。バリアフリーという観点で考えると、先見の明があったというべきでしょうね。それに、こういう観光用のエスカレーターだと、さすがにここを歩いたり走ったりする人はいないでしょうね。

江ノ島といえば、ここは実は猫の天国だということをご存じでしょうか。とくにエスカーで上がりきった展望の開けたところには多数の地域猫が暮らしています。これは、江ノ島全体に自動車があまり走っていないことと大きく関係していると思われます。たいていの猫は、自動車の下ならば誰にも邪魔されずくつろげるので大好きですが、自動車そのものは大嫌いです。高速で走ってくるとどうしてよいのかわからず路上で固まってしまい、挙句の果てに轢かれてしまうということも、よく聞く話です。その大敵がいないのですから、彼等にとっては、のんびりと暮らせる天国、それが江ノ島なのです。私も、10年ほど前に訪れた時には、展望台のところで休憩していると、一匹のトラ猫が寄ってきて、相手をしてくれたことを覚えています。ただ、最近では、この島から猫が減っているそうです。そのたしかな原因はわからないのですが、とにかく、猫を「持ち帰る」人が後を絶たないそうです。いくら可愛いからといっても、猫の都合を無視して、自分のものにしようとする考え方は感心しませんね。猫を飼いたければ、いくらでも方法はあるのですから、現にそこに住みついている猫を持ち帰るなどという行為は止めてほしいものです。

前々回の投稿で触れました岩合光昭さんの番組を見ていてもわかるのですが、猫がたくさんいる町は、だいたいにおいて平和な町で、強い刺激こそあまりありませんが、人間にとっても居心地のよいところのはずです。そうした環境は守っていきたいものですね。

 

今回も、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。