明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常

元大学教員が綴るこれまでの経過と現在 。なお、入院と本格治療の経験については、00から34あたりまでをお読みください。 。

明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常147 仲本工事さんの訃報に接して

こんにちは。

 

10月に入って、コロナ新規感染者は徐々に減っていたのですが、この1週間ほどは、また徐々に増加傾向が出てきているようです。ヨーロッパの各国では一足先に第8波がやってきつつあるようですし、これからインフルエンザ流行の季節がやってくることを考えると、心配になってきます。

 

さて、先日ドリフターズ仲本工事さんが交通事故のため亡くなりました。(直接の死因は急性硬膜下血腫と発表されていますが、これが事故によるものであることは疑いようがありません。)享年81歳。まだまだ「年齢を考えるとしょうがない」とは言えない年齢でした。私の世代は、子供の頃毎週決まって見る番組と言えば「ドリフの全員集合」だったので、何ともいえない喪失感があります。

思い起こすと、あの番組は毎週どこかのホールを会場として生放送で放映していたわけで、コントあり、歌あり・・・という盛りだくさんの内容をこなすのは、出演者、スタッフともに大変だっただろうな、と思います。土曜日午後8時にチャンネルを合わせるのは本当に楽しみだったものです。その後、スタジオ収録の番組も放映されましたが、やはりライブで行われる「全員集合」の緊張感の中での起きる爆笑のクオリティには及ばなかったような気がします。

これで、ドリフターズのメンバーは残り2人(加藤茶さん、高木ブーさん)になってしまいました。それだけ時が経ったということなのですが、やはり寂しいですね。

ところで、仲本さんは歩行者横断禁止になっている幹線道路を横断しようとして、やってきた自動車にぶつかってしまったようです。はっきり言ってしまえば、ご本人にもかなり落ち度があったことになります。その意味では、加害者になってしまった自動車の運転手の方もお気の毒です。

日本における交通事故での死者数は下のグラフにはっきり表れているように、長期的に減少傾向にあります。1950年代から1960年代後半にかけては毎年1万人以上の方が亡くなっていたのに対して、2018年には約3500人、そしてこのグラフにはありませんが2020年には3000人を下回るところまで改善しているのですから、交通安全への取組は本当に素晴らしいと思います。

交通事故による死者数の推移


しかし、これを年齢別にみると、かなり異なる様相が見えてきます。

高齢者(65歳以上)においても、死者数は徐々に減少していますが、全体の減り方と比較すると、その傾向はかなり緩やかです。その結果、全死者数に占める高齢者の割合はどんどん上昇してしまっているのです。これから高齢化社会がどんどん進行することを考えると、そろそろ全体の減少もストップしてしまうのではないか、あるいは増加傾向に転じてしまうのではないか、という恐れがあるのです。

全体と高齢者の死者数比較

交通事故死者数における高齢者の割合

 

高齢者の交通事故については、ドライバーとして加害者になってしまう事例に関しては、ずいぶん問題視されてきました。そして、免許自主返納の動きも広がっているように思います。

運転免許自主返納者数


しかし、当たり前の話ですが、道路を通行している高齢者には歩いている人もたくさんいるわけで、こういった人たちは、加害者になるリスクは少ないものの、被害者になる可能性は、若い世代よりもかなり高いのです。誰でも年齢を重ねれば若い時と同じようには身体は動かなくなりますし、判断能力も鈍くなりますから、いざという時に素早く危険を回避することは難しくなってきます。もちろん「道を歩くな」というわけにはいきませんから、社会的な問題とはされず、何となくやり過ごされてしまっているのが現状ですが、本当は真剣に取り組まなければならない問題なのかもしれません。少なくとも、交通法規、信号をきちんと守るという意識は、例えば幼児や小学生と同じように、とても重要なのだろうと思うのです。

交通事故は、加害者、被害者とそれぞれの家族や関係者すべての生活や人生を大きく狂わせてしまいます。こうした不幸を少しでも少なくするには、私達に何ができるのか、今回のことをひとつの契機として真面目に考えてみるべきだと思います。

 

今回も、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。