明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常

元大学教員が綴るこれまでの経過と現在 。なお、入院と本格治療の経験については、00から34あたりまでをお読みください。 。

明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常159 冬の星空

こんにちは。

 

12月になると同時に、一気に冬の気配になってきましたね。今年の冬は寒くなるのでしょうか。電気代やガス代が続々と値上げされる中で、ちょっと心配になってしまいますね。

 

私だけかもしれませんが、冬になると、夜空を見上げる機会が多くなるような気がします。それは、この季節になると、オリオン座を始めとする比較的わかりやすい星座や一等星がたくさん観察できるからです。「冬の大三角形」というのをご存じでしょうか? おおいぬ座シリウスこいぬ座プロキオン、オリオン座のペテルギウスという3つの一等星を結んでできる三角形のことです。これらの星座のある方向には、他にもいくつか明るい星が見られ、一年を通してもっとも華やかな夜空と言えるかもしれません。

この他に「夏の大三角形」というのもあり、こちらはこと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブによって構成されており、日本や中国では、このうちベガを織姫星、アルタイルを彦星と呼んでいます。天の川をはさんで輝く星たちの伝説(七夕)を知らない人はいないでしょう。さらにこの伝説の中では白鳥は二人の橋渡しをするカササギとして描かれていますので、もっとメジャーになってもおかしくないのですが、なぜか、冬の大三角形の方が圧倒的な存在感を見せています。

それは、ひとつひとつの星がかなり明るいこと(シリウスは全部で21ある一等星の中でももっとも輝いている恒星です。)、冬の方が夏よりも空が澄んでいて、天体観察に向いていることなども影響しているのかもしれません。そういえば、天の川は今や都市圏ではほとんど見ることができなくなっていますしね。

恒星の光が長い年月をかけて地球に到達していることも、大きな魅力になっているような気がします。例えば、シリウスは比較的地球からの距離が近い恒星として知られていますが、それでも8.7光年の距離です。一等星の中でもっとも遠くにあるのがデネブで、なんと地球から1500光年と言われています。つまり、今私達が見ることのできるこの星の光は、1500年前、日本でいえば飛鳥時代の頃?の輝きなのです。この光が星を出発した時、地球はどんな状況だったのか、そして現在、この星がどんな状態にあるのか・・・そんな時空を超えた想像に思いを巡らしていると、とてつもない広がりをもったファンタジーのようなものを感じることができるのです。

もうひとつ、夜空の星や星座をめぐっては、色々な伝説や神話が語り継がれていることも、星を眺めるうえでの空想を広げてくれます。例えば、オリオンというのはギリシャ神話に登場する大変屈強な狩人なのですが、あまりにも自分の腕を自慢しすぎるようになってしまいます。そして、それを見かねた女神ヘーラは大きなサソリを彼の足元に放つのです。さすがのオリオンも大サソリの毒にはひとたまりもなく、命を落としてしまうのです。その後、天に昇ってからもオリオンはサソリを苦手としたため、さそり座が東の空から出てくると、そそくさと西の空へと沈んでいくということを繰り返している・・・こんな神話、です。なんだかロマンを感じませんか?

ちなみに、オリオンが持っていた2匹の猟犬は、オリオンと一緒に天にあげられ、おおいぬ座こいぬ座になったそうです。

 

そういえば、夜空を眺めながら、その星と星を線でつなぎ、神話の登場人物や動物に見立てて、星座を形作った昔の羊飼いたちの空想力も素晴らしいものですね。

 

現代の都市圏では、ネオンライトやその他さまざまな人工の光が瞬いているために、空を見上げても、ほとんど星を見ることができない状態です。こうした光がなければ、人間の目には六等星ぐらいまで見えるそうですから、少し残念なことです。クリスマスが近いこの季節、ライトアップやイルミネーションがあちこちで人気を集めていますが、逆に、一切の電気を消してしまって、満天の星を眺めるようなイベントがあっても良いのにな、と思ってしまいます。

 

今回も、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。