明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常

元大学教員が綴るこれまでの経過と現在 。なお、入院と本格治療の経験については、00から34あたりまでをお読みください。 。

明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常195 6回目のワクチン接種

こんにちは。

 

昨日、6回目の新型コロナ・ワクチン接種を受けてきました。6回目ともなると、手順や注意事項は把握していますので、とくに緊張することなく、あっさりと終わりました。そして副反応ですが、昨日は一日なんとなく倦怠感があり、体がだるかったのですが、今朝起きたら、ほぼ解消していました。また、体温は36.7度までしか上がりませんでしたから、これも問題なし。ということで、早期に日常生活に戻っています。これも、過去5回の接種の時と同様でした。やれやれです。これで、あと2週間もすれば、抗体ができるでしょうか。

 

ただ、日本全体を見渡すと、このところ少し感染が落ち着いてきていることや、副反応への警戒感もあって、ワクチン接種率は回を重ねるたびに減ってきているようです。身の回りにも既に6回目を済ませたという人はあまり多くありません。しかし、私のように免疫力が低下している人間にとっては、コロナに限らず、感染症は下手をすると命取りになる恐ろしいものですから、主治医からは「受けないという選択肢はないですね」と言われています。そういうわけなので、副反応等のリスクが多少あったとしても、今後ともワクチンは欠かせないものなのかな、と思っています。

それにしても、厚生労働省が発表している統計によると、今年5月最初までにコロナ感染者の類型数は約3300万人に達しています。これは日本国民全体の約4分の1以上にあたります。そんななかで、いまだに感染経験がない自分は、「よく逃れているなあ」と思ってしまいます。もっとも、自覚症状がなかっただけで、実は既に感染してしまったのかもしれませんが。

 

そういえば、最初にワクチン接種が始まった頃、これが順調に進めば、やがて国民全体が集団免疫を獲得するのではないか、と期待されていましたね。具体的には、自国民の6割程度がワクチン接種したり、感染したりすることによって、残り4割程度の人々は自然と免疫力を身に着けることができるようになり、感染そのものが激減するはず、というものでした。実際、約100年前のスペイン風邪の流行の際には、これによって爆発的感染が収束したとも言われています。

しかし現在、新型コロナ・ウイルスに関して集団免疫に期待する人はあまりいません。その理由としてあげられるのは、第一に、専門家の予想を超えて変異株やその亜種が次々に生まれており、その影響もあって、何度も感染してしまう人が少なくない、という現実です。そしてもうひとつ挙げなくてはならないのが、100年前に比べて、グローバルな人工流動・移動が格段に多くなっていることです。たとえ国内でのワクチン接種等が相当の高レベルになったとしても、海外からさまざまな理由により入国してくる人の数が多ければ、それをきっかけに感染者は発生してしまい、なかなか集団免疫という状況には至りません。つまり、それはある程度「閉じられた社会」でなければ成立しにくいのです。実際、例えばイギリスでは昨年80%以上の国民が抗体をもったと推定され、公衆衛生局がさまざまな社会的規制をすべて解除した後も、新規感染者数は徐々に拡大したという経緯があります。

現在使用されているワクチンは、副反応等のリスクがある一方で、重症化予防という観点からは、依然として高いレベルの効果を発揮しているようです。ただ、感染を完全にシャットアウトすることはできません。これは医学の常識なのですが、「100%安全だ」、「必ず治る」あるいは「絶対に効く」というような薬というものは存在しません。必ずメリットとデメリットの両方がありますし、人によって、またその体調によって、薬の効き方は変わってきます。さらに言うならば、複数の薬を利用することによって生じる効果と逆効果も踏まえておかなければなりません。私たちはそのことを十分に認識し、社会全体の感染状況も考慮したうえで、自分が接種を受けるかどうかを冷静に判断するべきなのでしょうね。

 

今回も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。