明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常

元大学教員が綴るこれまでの経過と現在 。なお、入院と本格治療の経験については、00から34あたりまでをお読みください。 。

明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常310 南座の舞台を見学

こんにちは。

 

気温が40℃を超える地域についての報道が連日続くというちょっとした異常事態?、この調子だと近いうちに水不足によってさまざまな農作物の凶作が広がり、秋口には大きな社会問題になってしまうのではないでしょうか。まったく、猛暑の影響が今後どのように広がっていくのかを想像すると、不安感でいっぱいになります。

 

ところで、前々回の投稿で、池江璃花子さんについて書きましたね。彼女、予定通り世界水泳に出場したのですが、結果はいささか不本意なものだったようです。とても悔しかったであろうことは、想像に難くありません。まあ、それは仕方のないことです。出場選手は皆、全力を尽くしてレースに参加しているのですからね。

それよりもちょっと残念だったのは、レース後の彼女のインタビューでの発言内容です。

彼女曰く「帰ってきた池江璃花子を証明すると言ってきたんだけど、それがかなえられず、もう数年経ってしまった。」「考えても、願っても、過去のことは変えられないから、あんまり言いたくないけれど、病気にさえなっていなければ、こんなに苦しむことはなかったのかなってずっと考えてきたこの数年間、そして今日。」(後半はInstagramの投稿より転載)

レース直後ということなので、ちょっと感情的になっていたのかもしれません。もう少し時間が経過すれば、冷静にこの大会に向けての準備について振り返ることはできるでしょう。これまでの積み重ねは決して無駄なものではありませんし、彼女をとても強い存在にしてきたのは事実です。そして、それは今後の競技生活に、とてつもなく大きなプラスになるはずです。ただ、少なくとも「病気になっていなかったら・・・」という発言や書き込みは、してほしくなかったと思うのです。彼女ほどの有名人の発言は、大病に罹患している多くの人々に少なからぬ影響を及ぼしかねません。少しで良いから、そのことに配慮して、病気という経験は決してマイナスだけではないのだということをメッセージとして発信してほしいというのは、若い彼女にはちょっと酷な注文でしょうか。

個人的には、彼女の今後にもっと注目していきたいと感じています。

 

さて、前回の投稿では映画「国宝」について簡単なレビューを書きました。その中で、この映画をきっかけにして、歌舞伎がもっと注目を浴びるようになれば素晴らしいことだ、という主旨のことを書きました。そういう意味では、しばらく前に漫画やテレビ・ドラマで注目された「のだめカンタービレ」と同じような位置づけを期待しています。もちろん、「のだめ」はもっとギャグ的な色合いが強く、軽いテイストでしたが、あのドラマで演奏されるさまざまな曲をきっかけに、クラシック音楽に興味を持った人が少なからずいらっしゃるのは確かです。また、ドラマや映画の中で出演者の代わりにピアノを演奏していたプロのピアニストが、その後本格的にデビューし、多くのファンを惹きつけていることも事実です。「国宝」がそんな存在になれば、そして、若い歌舞伎役者が多くのファンを集めるようになれば・・・と思うのです。

実は、かくいう私もこれまで歌舞伎にさほど、というか、ほとんど興味を持ってきませんでした。役者さんについても、誰もが知っているようなベテランの有名な方はともかくとして、若手の方については、ほとんど知識がありませんでした。これではいけない、と思っていたところ、京都・南座で「舞台体験ツアー」というイベントが開催されていることを知りました。

南座の所在するのは鴨川にかかる四条大橋のたもと、つまり、1608年に「歌舞伎の祖」と言われる出雲の阿国が歌舞伎踊りを始めた四条河原のすぐそばです。その後、江戸時代には、この地域にはいくつもの劇場(最大7つあったと言われています)がつくられ、歌舞伎のメッカのような場所になったのですが、その後、歌舞伎人気の落ち着きや四条通りの拡張工事による廃館が相次ぎ、現在では常設で歌舞伎を上演することができるのはこの南座だけになっています。でも、毎年師走になると「吉例顔見世興行」が華々しく行われ、簡単にはチケットを取れないほどの人気を博しています。そして、「映画「国宝」の中でもいくつかのシーンで登場しています。

そんな劇場の裏側を見ることができるのです。これはまたとないチャンス。そして、今後歌舞伎というものに親しんでいくには、とても良いきっかけになるはずです。

というわけで、猛暑の日だったんですが、いそいそと会場に向かいました。

当日体験させてもらったのは、花道から舞台への入場、そして回り舞台の実演、さらにはセリに乗って、実際に上下する体験(セリは上方には1.8m、そして奈落に通じる下方には2.4m上下するそうです。)回り舞台にせよ、セリにせよ、もちろん電動なのですが、思っていたよりもとても静かで、揺れもなく、これなら、ここに乗っている役者さん達も安心だな、と思った次第です。また、舞台のすぐ近くにある大きな舞台装置胃等の搬入口も案内してもらいました。そして最後は、再び花道から退場。いやあ、短い時間でしたが、とてもよい体験でした。セリ等は上に書いたように、現在は電動ですが、以前はきっと人力で動かしていたのでしょうね。そう思うと、裏方さん達の努力にも少し思いを馳せることができました。また、この劇場全体がいかに華やかに彩られているのかを知ることができ、とても楽しい体験になりました。

歌舞伎に限らず、舞台芸術を鑑賞するときに、こうした「劇場の裏の顔」を知っておくと、演目そのものの見方もまた少し変わってくるのかもしれませんね。

 

今回も、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 

 

2階客席からの眺め

 

舞台から客席を眺める セリは下降中

 

花道へ 途中で愛嬌を振りまいているのは、南座のキャラクター「みなみーな」君

正面玄関の立て看板