明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常

元大学教員が綴るこれまでの経過と現在 。なお、入院と本格治療の経験については、00から34あたりまでをお読みください。 。

明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常225 初詣は年末に!?

こんにちは。

 

あっという間に年の瀬が近づいてきましたね。色々なことがありましたが、今年一年、皆さんにとってはどんな年だったでしょうか。

私は毎年年始に、その年の十二支に関連する神社に初詣することにしています。ただ、最近は同じようなことをされる方が多いようで、三が日はどこも結構な人出になっています。例えば、今年の初めはウサギに関連するところということで京都市左京区の岡崎神社に出かけたのですが、かわいいウサギの置物や像が並んでいることもあって、多くの人が写真を撮りに訪れていました。

そこで、今回は年末の内に出かけようと思って、二つの神社に出かけてきました。

ひとつは、正月になると猛烈な人出でごったがえす伏見稲荷大社の奥にひっそりとたたずむ伏見神寶神社。(ふしみかんだからじんじゃ:通称はしんぽうさん)

伏見稲荷大社の本殿の奥に有名な千本鳥居がありますが、それを抜けたところにあるのが奥の院。ここには「おもかる石」があり、持った感触が「思ったより軽かった」と思えば、願い事がかなう、と言われており、これを試す人が行列を作っています。

多くの観光客や参詣客はここで引き返すのですが、奥の院の左手にある鳥居と石段をさらに15メートルほど登ると左手に見えてくるのが「根上がりの松」。これもかなり目立つスポットなので、目を奪われる人が多く、その向かい側、つまり右手に「伏見神寳神社 150メートル」と書かれた小さな立札があるのを見逃す人がほとんどなのですが、ここからが目指す場所です。ただ、石段も舗装された道もなく、ところどころ木の根がはっていたりしていて少し歩きにくいので、雨の後やハイヒールでの参詣はあまりお勧めできないかもしれません。

千本鳥居 ここを抜けていきます

 

まあ、それはともかくとして、坂道を5分弱昇っていくと、すっかり森。そして見事な竹林が私たちの周りに現れます。この竹林は、かぐや姫伝説誕生の地との言い伝えもあるそうです。そしてお目当ての神社の鳥居が現れます。創祀は平安時代にまでさかのぼる、長い歴史をもった神社です。

伏見神寳神社の鳥居

 

ここでもっとも目立つのが、狛犬ならぬ狛龍。左に地龍、右に天龍が鎮座しています。この二匹の龍。天から地上まで宝物を運ぶのが天龍、そしてそれを地上で守り続けるのが地龍というように役割を分担しているそうです。



その他にもこの神社にはいくつか龍がいますが、そのなかでも目立つのが、キラキラした龍頭像。この龍がくわえている玉を回すと、願い事が叶うという言い伝えがあるそうです。

龍頭像

これも龍ですよね?

 

この神社、一般には知名度は低いですし、なぜだか、伏見稲荷大社の境内案内図には載っていませんので、普段は訪れる人は少なく、ひっそりとしています。その分、パワースポットらしい雰囲気がびんびんと伝わってきます。しばらく佇んでいると、それだけで精神が浄化されていくような気持ちになってくる素晴らしい空間です。

 

もう一か所。今度はJR奈良線および京阪電車東福寺駅すぐ近くという街中にある瀧尾神社(たきおじんじゃ)です。駅から東福寺方面に向かう人は、皆さん駅前の道を右へ、つまり南へと歩を進めるのですが、瀧尾神社へはその反対。つまり北へ向かいます。すると、2分も歩かないうちに、鳥居が見えてきます。ここは住宅街のど真ん中であり、マンションが隣接しているなど、何の変哲もない場所なのですが、注目すべきは拝殿です。写真のように、立体となった木彫りの龍が天井に張り付いています。全長は8メートルという見事なもので、江戸時代末期の彫り物師、九山新太郎の作だそうです。

この迫力は、ぜひ実物を見て感じてもらいたいです

 

また、本殿にも霊獣の彫り物がずらりと並んでおり、この中にも龍の姿を見ることができます。いずれも見事なもので、九山氏の力量には惚れぼれとしてしまいます。

私が訪れた時は、本殿の改修工事中で、拝殿が仮本殿となっていました。このため、普段は誰でも上がってじっくりと見ることのできる木彫りの龍の姿は、外からしか見ることができず、少し残念でしたが、この迫力はさすがとしか言いようがありません。

本殿の彫り物の一部

 

ここも普段は訪れる人が少なく、おそらく近所の子供の遊び場所になっているのだと思いますが、初詣の時はけっこうな人出になるのでしょうね。

今回訪れた2つの神社。いずれも規模が小さく、いわゆる観光スポットとは言えないような場所かもしれません。しかし、普段の姿をゆっくりと味わうことができて本当に良かったです。

大きな神社に行くと、初詣のお参りをするのに、本殿の前に長蛇の行列ができていることも珍しくありませんね。それはそれで、長い時間待たされた方がご利益があるのかもしれない、と思うことも可能でしょうが、やはり、寺社へのお参りは、あくまで自分のペースで参詣し、他の参拝者を気にすることなく、自分だけの祈りを捧げる方が、自然な姿のような気がします。個人的には、今後も、そんなお寺巡り、神社巡りをしていきたいものです。

 

今回も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。