明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常

元大学教員が綴るこれまでの経過と現在 。なお、入院と本格治療の経験については、00から34あたりまでをお読みください。 。

明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常224 それは突然に・・・最近の体調をめぐって

 

こんにちは。

 

先日、夜寝ていると、早朝4時頃、突然強烈な吐き気に襲われ、あわててトイレに飛び込むと、2度、3度と嘔吐を繰り返すことになってしまいました。ようやく収まったので、うがいをしてから、再度寝床に入ったのですが、1時間ほどとすると、またもや猛烈な吐き気。

個人的には、嘔吐は久しぶりの経験でしたので、本当にびっくりしてしまいました。

 

結局、嘔吐はこの2回のトイレ往復で終わりましたが、その日は一日中あまり食欲もなく、ひたすら体調悪化に恐れ入りながら、ぼんやりと過ごすことになってしまった次第です。

実は、その前日、某レストランで牡蠣フライを食べたのですが、どうやらそれに「あたった」らしいのです。

牡蠣の中毒には主に以下のようなものがあるそうです。

ノロウイルスによるもの

牡蠣にノロウイルスが蓄積されている場合で、潜伏期間は食後1~2日。12時間ほどで症状が現れるケースもあるようです。主な症状は、38℃前後の高熱、腹痛、嘔吐、下痢、胃もたれ、悪寒などです。

貝毒によるもの

有害なプランクトンや菌が海水の中に潜伏しており、それらが牡蠣の中に蓄積されている場合です。潜伏期間は食後30分あるいはそれ以下、というようにかなり短いようです。4時間程度で症状がなくなるケースもありますが、12時間以内に呼吸困難に陥ったりして、重症化することもあるようです。主な症状としては、「麻痺性」のものとして口腔内の違和感、唇や顔、手足のしびれ、頭痛、めまい、「下痢性」として下痢、吐き気、嘔吐があげられています。

腸炎ビブリオによるもの

水温が高いと活発化する食中毒菌である腸炎ビブリオが原因になることもあります。潜伏期間は2~24時間程度。激しい下痢が一日に数回から数十回も続くなどの辛い症状に陥ることもあります。主な症状は、激しい下痢、腹痛、血便、嘔吐、発熱が挙げられます。

・牡蠣アレルギーによるもの

これには、かゆみや蕁麻疹など、いわゆるアナフィラキシー・ショックによるものと、腹痛、下痢、意識障害、呼吸困難など、一般的なアレルギー反応によるものがあげられます。アレルギー反応の場合は、潜伏期間はなく、食後1~2時間程度で症状が出るのが一般的と言われています。

うーん、人によっても症状の出方は異なりますので、何とも言えませんが、私の場合、何となくではありますが、腸炎ビブリオが原因のような気がします。「水温が高くなって」というのも、最近の自然環境に符合していますしね。

ただ、アレルギー反応によるものは別として、それ以外はほとんど、免疫力が低下している場合に発症しやすいことは共通しています。服用している薬の関係で、白血球の値が低くなりがちな私は、気を付けなくてはならないということですね。

今回食したのは牡蠣フライだったわけですが、かなり大粒のもので、ひょっとすると、5個あったうちの1つか2つ、火の通りが必ずしも十分でないものが混じっていたのかもしれません。まあ、それでも、1日で回復して、次の日には、嘔吐も下痢も収まり、普通に食事できていましたから、不幸中の幸いということでしょう。

これで牡蠣が嫌いになったかって? いえいえ、そんなことはありません。もう少し小ぶりのものを食べるとか、十分に火が通っていることを確かめられるような料理を食したいものです。だって、牡蠣っておいしいですよね。

 

さて、もののついでですので、最近の体調等について、少しご報告しておきましょう。

まず、8月から始まったサークリサやポマリスト、そしてレナデックスという薬を使った新しい治療は、今のところ、かなり効果をあげているようで、経過は順調です。予想されていた副作用は若干あるものの、極端に体調が悪化するようなことは起きていません。白血球、赤血球、血小板の値は低下しているものの、危険なほどではありません。まあ、今回の牡蠣中毒のようなことがありますので、注意が必要なことは言うまでもないのですが。ただ、この治療のために、2週間に1回、3~4時間程度の点滴があるのは、いささか気が重いですね。本を読んだり、音楽をスマホで聴いたり、というように時間はつぶせるのですが、決して楽しいひと時ではありません。看護師さん達との雑談が唯一の楽しみでしょうか。

また、ポマリストはサリドマイド系の薬なので、院内処方になるうえ、厚生労働省からは病院や患者に厳重な管理が要請されています。たとえ一錠でも、「なくした」とか「他人に譲った」ことは認められないのです。これは、以前サリドマイドを妊婦が服用したことによって重大な障害が多数報告されたことに起因するのですが、専門家の中には、現在のサリドマイド系の薬は、以前に比べると、かなり改善されており、そこまで厳格に管理する必要はないのでは?という意見もあるそうです。ただ唯一私にメリットがあるとすれば、処方される薬のうちの一種類でも院内処方のものがあると、それ以外の薬も全部院内処方として扱われるので、支払いは治療費と一括になりますし、わざわざ薬局にでかける必要がない、ということでしょうか。

この治療と並行して、骨を強化するための薬を使用することになりました。ランマークと呼ばれる薬の注射で、こちらは1ヶ月に1回になります。ただ、以前も書きましたように、これに先立って、歯の治療をすることになり、おかげで、虫歯を1本抜くことになりました。きれいにクリーニングしてもらいましたし、むしろラッキーだったと言えるでしょう。

多発性骨髄腫という病気は、骨を弱くし、場合によっては溶かしてしまうという恐ろしい症状をもたらします。私も、9年前にこの病気を発症した時には、腰のあたりの骨にきれいに穴が開いてしまい、激しい腰痛に襲われた経験がありますので、やや神経質にならざるを得ないのです。下手をすると、一生車椅子生活になってしまうのですから、本当に恐ろしいことです。

腰痛と言えば、これも先日に少し書いたことですが、この秋頃から、長時間歩いていると、腰がだんだんだるくなってきて、ついには歩くのが辛くなってくるということが起きていました。腰痛の一歩手前という感じです。そこで、MRI検査で調べてもらったのですが、どうやら、骨髄腫のせいではなく、ごく軽い椎間板ヘルニアの気が出ているのではないか、ということでした。ただ、今のところ脊柱管狭窄症を心配するようなものではないようです。今後は様子を見て、さらに悪化するようだったら、整形外科を受診するように勧められました。しばらくは、軽い運動や自分でできるストレッチ等で対処することになりそうです。最近は、少し付き合い方がわかってきましたので、長時間連続して歩くことは避けて、適当に休みを取りながら歩く等しているためか、一日に合計6000歩から8000歩程度歩いても、それでヘロヘロになってしまうことはありません。まあ、これももっと長い目で見ていくしかありませんね。

 

そんなわけで、相変わらず万全というわけではありませんが、日常生活に支障を来すような大きな障害には見舞われていません。12月も既に半分過ぎましたので、このまま何とか穏やかに年は越せそうです。

 

今回は自分の病気のことばかり書いてしまいましたので、私のことを直接ご存じない方には、退屈至極な内容になってしまいましたこと、お詫び申し上げます。

 

今回も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。