明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常

元大学教員が綴るこれまでの経過と現在 。なお、入院と本格治療の経験については、00から34あたりまでをお読みください。 。

明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常90 白内障・・・

こんにちは。

 

今朝の報道によると、ロシア軍はウクライナにあるヨーロッパ最大の原発を攻撃し、このため現地では火災が起きているそうです。このニュースに関しては、現段階ではまだどの程度の被害が出ているのか確かめられていませんし、果たしてクレムリンの指示によるものなのかどうかも不明ですが、これが本当だとしたら、ますますロシアは国際的に孤立への道を歩むことになってしまうと思われます。もちろん、あらゆる戦争は否定されるべきものですし、核を用いることには世界中がさらに神経質になっているわけですが、相手国の原発を攻撃するなどという蛮行はその中でも最大の禁じ手ではないでしょうか。これを支持する人は、さすがにほとんどいないでしょう。

 

このことはさておき、今回は予告通り、私自身に起きた白内障について書いていくこととします。

まず、白内障とは、目のレンズの役割をする水晶体が白く濁り、目が見えづらくなるもので、高齢者に非常に多く、年齢と共に発症者が増えます。50歳代で37~54%、60歳代で66~83%、70歳代で84~97%、80歳以上ではほぼ100%の人に、程度の差はあるものの白内障の症状が見られたという調査結果があります。つまりトシを重ねれば、誰でもそのリスクは高まるのです。眼科の医師は「白髪と同じようなもので、必ずしも病気とは言えない」と言っています。

ただ、原因としては、加齢以外にもいくつか考えられるようで、私のように、ステロイド系の薬を長年服用してきたことによってそのリスクが高まることもありますが、赤外線や紫外線の浴びすぎ、基準値を超える放射線の照射、1日20本意上の喫煙なども、この原因となります。多くの場合は、これらと加齢が重なって白内障となるのですが、これ以外にも、外傷性のものもあります。つまり、目に何か硬い物があたってしまい、それが原因でしばらくしてから白内障になる、というケースもあるのです。私の知人である木工職人は、木材の切断中に木片が顔に飛んできたことが原因で、白内障になっています。(今はもう完全に復活しています。よろしければ、以下のサイトをご覧ください。・・・宣伝です 笑)

森風社公式サイト  https://simpoosha.com/

木工といっても、大きな家具等ではなく、主として玩具や置物を製造・販売しています。

 

では、白内障の症状とはどのようなものでしょうか。水晶体の濁り方によって異なるのですが、代表的なものは、モノがぼやけて見える、目がかすむ、目に光が十分に入らないことによって、すべてが薄暗く見える、あるいは逆にすごく眩しく感じる、などがあげられます。当然ながら、視力はかなり低下してしまいます。

厄介なのは、これらの症状はいきなり悪化するのではなく、徐々に進行するために、気がつくのが遅くなったり、また気がついていても日常生活によほどの支障がない限り放置してしまう人がかなりいらっしゃるということです。しかし、このまま放置しておくとどんどん進行し、最悪の場合失明してしまうこともあるそうです。先進国では手軽に行える手術の技術が発達し、そこまで悪化する人はほとんどいないそうですが、発展途上国では貧困や医師不足、医療設備不足などから、いまも白内障によって失明してしまう人が多く、世界全体では失明原因の第1位が白内障だということですから、恐ろしい話です。

私の場合も、しばらく前から症状には気がついていたのですが、まあ、本を読んだりするのが少し不便だな、とか暗い夜道は前より歩きにくいな、と思ってはいたものの、もともとの持病の方が気になっていて、ついつい放置していました。それが、今年に入り、1月下旬になっていよいよ事態が深刻になったため、いつもの病院で相談のうえ、病院内の眼科で診察を受けたところ、すぐに白内障との診断を受けたのですが、このご時世、大きな病院はベッドの空きも細かな手術を行う余裕もない、とのことで、近隣の眼科医院を紹介され、そこで日帰り手術を受けることになったわけです。

医院(といっても、個人医院としてはけっこう規模は大きく、スタッフの数も多かったです。)で詳しく検査を受けると、やはりかなり視力が落ちていることは明らかで、なるべく早めに手術を受けることになりました。ただ、もともと弱視のため、慎重な処置が必要だ、とのことで、一ヶ月に一度だけ手術日のある、外部の大病院から来ている医師に、執刀してもらうことになったのです。そして、まずは右目の手術。これが行われたのが2月21日でした。

白内障の手術というのは、簡単に書けば、濁った水晶体を取り除き、その代わりに人工のレンズを挿入する、というものですが、一人あたり10~15分程度の短いもので、麻酔も注射ではなく目薬で行うため、痛みや肉体的負担は、まったくといってよいほど、ありません。

ただ、手術4日前からは一日4回抗菌のための点眼薬をささなければいけませんし、手術後もしばらくは感染症対策のため、点眼薬が必須となります。(今でもさしています。)

また、手術日はしっかりとしたガーゼで目を保護し、さらに保護眼帯を24時間つけなければいけませんでした。このため、帰宅時は残っている左目(実はこちらの方が白内障は進行していました。)だけで歩かざるを得ず、これはかなり怖かったです。ガーゼは、次の日に医院に行ったときにはずしてもらいましたが、その瞬間は本当に世の中が眩しく見えたものです。保護眼帯はその後も3日間は24時間つけ続け、その後は昼間は外してもよいけれど、就寝時はかけるように、と指示されました。多分、寝ている時に無意識に強く目をこすったりすることを避けるためでしょうね。

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保護眼帯


また、手術日に入浴禁止であることは想像していましたが、その後も4日間は「風呂は首から下だけなら浸かってもよい。ただし、洗髪・洗顔はNG」とのことでした。このあたりはひょっとすると医院や病院によって異なるのかもしれませんが、とにかく、4日間も洗顔ができない、というのはけっこう辛かったです。まあ、顔の下半分はタオルでそっと拭くぐらいはOKでしたけどね。これが真夏だったら、と思うとちょっとゾッとしてしまいます。

さて、そんな感じで慎重な対策を取ったためでしょうか。今のところ経過は大変良好とのことです。目の充血は見られましたが、次第に収まってきています。それで、左目の手術の準備を行うことになったのですが、上に書いたように、1ヶ月に一度しか手術日がないため、次の手術は3月22日になってしまいます。ということは、これが全部無事終わったとして、放免されるのは今月末か4月初めになりますね。まだ先は長いなあ、というのが実感です。

以上がこれまでの私の経緯です。つくづく思うのは、ちょっと気になっただけのことでも放置しておくのは良くないなあ、という当たり前のことです。私と同じような世代の方、他人事だと思わず、ご自身の健康には日々十分留意してください。医師によると、違和感を感じたら、まずは片目でセルフチェックしてみるとよいだろう、とのことです。

手術そのものはすぐに終わる、と書きましたが、やはり繊細な部分にメスを入れるわけですので、術後には角膜浮腫、虹彩炎、眼圧上昇などの後遺症が出ることがあります。また、感染症リスクにも注意を払わなければなりません。手術をしないで薬による治療だけで済む初期の段階で眼科に相談すれば、それだけさまざまなリスクを回避できるわけですから。

 

今回も、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。