明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常

元大学教員が綴るこれまでの経過と現在 。なお、入院と本格治療の経験については、00から34あたりまでをお読みください。 。

明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常85 抗がん剤と白内障

こんにちは。

ここのところ、私自身の体調や健康状態については、全然書いてきませんでしたが、今回はちょっと大きなことがありましたので、ご紹介しておきます。

今のダラキューロを中心とした治療は、現在第7クールに入っています。今のようにほぼ毎週通院して、注射を受けなければならないのは、第8クールまでで、その後は経過に問題がなければ、ほぼ1ヶ月に1回の通院に切り替わる予定です。3月末か4月初めあたりからそうなるのかな。ちょうど春を迎える時期なので、これは少しうれしいですね。

ところで、「ダラキューロを中心とした」という言葉の意味はあまり詳しく説明してこなかったと思います。実は、この注射を受けるにあたっては、いくつかの薬を併用することが、強く推奨されています。その主なものが、ベルケイド(注射)、そしてレナデックス(内服薬)です。両方とも、いわゆる抗がん剤の一種で、ダラキューロだけでなく、さまざまな薬と併用されています。2000年代に入ってから認可された、比較的新しい薬ですが、今ではかなり普及しており、私も、ダラキューロ治療以前から、単独で、あるいは他の薬と併用して、使い続けてきました。少し間が空いた時期もありましたが、もう5年弱になると思います。

そういうわけで、私にとってはもはや日常になりつつある注射や薬の服用なのですが、実は、少し気をつけなければならないことがあるのです。

レナデックスという薬は、いわゆるステロイド系に分類される薬です。

ステロイドは、もともと体内の副腎(ふくじん)という臓器でつくられているホルモンで、このホルモンがもつ作用を薬として応用したものがステロイド薬(副腎皮質ステロイド薬)です。外用薬(塗り薬)をはじめとして、内服薬や注射薬などもあり、さまざまな病気の治療に使われています。私達がよく耳にするのは、スポーツの世界におけるドーピングの一種としてのステロイド注射ですね。ここで問題とされるのがタンパク同化男性化ステロイド薬(Anabolic Androgenic Steroids:AAS)というもので、大きくわけて「男性化作用」と「タンパク同化作用」の2つの作用をもつ薬剤であり、これを外因的に投与された場合に禁止薬物となります。要するに、体外からこれらのホルモンを注入して、いわば「肉体改造」を行うもので、これがまん延すると、選手の身体の状況を無視して、「試合に勝つため」の肉体を作ることだけを目的にした無制限な使用が広がってしまい、結果的に健康被害を引き起こすからこそ、厳しく禁止されているわけですね。

私はもちろんアスリートではありませんが、それでも長期使用による弊害はあります。それが「白内障を発症するリスク」なのです。

ご存じの方も多いでしょうが、白内障そのものは、加齢によって、かなり多くの方が患ってしまいます。(医師の説明によると、必ずしも病気ではなく、白髪と同じようなものだ、とのことですので、発症という表現は正しくないのかもしれません。)

白内障のメカニズムは、簡単に書けば、目の中のレンズの役割をしている水晶体が濁ってしまい、光が通りにくくなり、見えにくくなるというものです。 主な症状は、ぼやける、かすむ、まぶしい、視界が暗く感じる、視力が落ちる、だぶって見えるなどです。そして厄介なのは、今のところ、特効薬のようなものはなく、放置しておくと、どんどん進行してしまうということです。有効な治療法は、手術しかないようです。

というわけで、私は見事に?白内障になってしまいました。「年齢の割には進んでしまっているので、やはりステロイドの影響だろう。」とのことです。血液内科の先生からも、「これぐらいステロイドを使っていれば、白内障になっても全然おかしくない。」というお墨付き?をいただきました。。

まだ手術の日程は決まっていませんが、遅くとも来週には、手術の方針やタイミングを含めて、担当してくださる眼科医と相談してくるつもりです。

ご存じの方も多いかもしれませんが、私はもともと弱視で、視力は正常な方よりも相当悪いのですが、やはり「これ以上悪くはしたくない」という気持ちは強いので、なるべく早く手術を受けようと思っています。日帰りの手術になることもありうるという話なので、スケジュール的には、比較的決めやすいはずです。

この件については、また進捗があればこのブログでも書いていきます。

それにしても、色々ありますね。やれやれ、です。でも、他のもっと深刻な病気ではなかったことに、少しほっとしています。

 

今回も、最後まで読んだくださり、ありがとうございました。