明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常

元大学教員が綴るこれまでの経過と現在 。なお、入院と本格治療の経験については、00から34あたりまでをお読みください。 。

明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常188 IT(AI)との賢い付き合い方

こんにちは。

 

最近は新型コロナ・ウイルスの感染者数についての報道がめっきり減ってしまいましたが、実はこの1週間ほどの間にじわじわと増加し始めているようです。このままゴールデン・ウイークを迎え、その後5月8日から2類から季節性インフルエンザと同じ5類へと扱いが変更されますが、本当に大丈夫なのでしょうか。少し不安になってきます。少なくとも、私達がこの3年間行ってきたこと、つまり必要な場所でのマスク使用や手洗い・うがいの習慣などは、あまり簡単にやめてしまわない方が賢明なように思います。今でも毎日死者がある程度出てしまっているという現実もありますからね。

 

前回の投稿でITと自転車の共通性?について少し触れましたが、補足しておきます。

自転車をより速いスピードで乗りこなすには基礎的な体力が必要なことは言うまでもありませんが、ではITの場合これに当たるのは何でしょうか。それは必ずしもITそのものに関する技術や知識ではありません。もちろん、そうしたものがあれば、より快適に使いこなすことができるでしょうが、AI技術がどんどん高度化している現在、そのような方面の知識がほとんどない人間にとっては、今から勉強するのはあまりにもハードルが高い話です。そうではなくて、コンピュータに入力する際に必要な日本語の能力や、知りたいと思うことに関する基本的な知識、そしてそれに関連する領域の事柄についての知識などの有無や量こそが、「使いこなせる」かどうかを左右するのです。つまり、それまでにどの程度知識や経験を持っているのか、そして日本語(日本人の場合ですけれど)の語彙力があるのかで、コンピュータが導き出してくれる答えはかなり変わってきてしまうのです。

少し具体的に話をしましょう。

以前、大学で教えていたとき、ある事柄について学生に調べさせると、実に苦労する人間が少なからずいるのです。それはなぜか? 

例えば新型コロナ・ウイルス感染状況について調べるとします。しかし、今ではネット上に膨大なデータや情報が溢れています。それなのに、ただ「新型コロナ」などというキーワードで検索しても、ヒットするサイトの件数が多すぎて、本当に知りたいことに辿り着くのに苦労してしまいます。そこで、例えば「厚生労働省」とか「国際比較」、あるいは「月次推移」など、他のキーワードと組み合わせることによって、ある程度の絞り込みを行っていくわけです。さらにヒット件数を少なくしたいならば、色々とキーワードを変えるとか、追加するとかの工夫が必要になります。まあ、おそらくこれを読んでいらっしゃるほとんどの方はよくご存じだと思います。ただ、そうした適切な副次的キーワードを選んでいくには、ある程度関連知識や言葉のセンスが必要になるのです。しかし、高校時代まで学校でこのような手法をきちんと習ってこなかった学生たちは、「新型コロナ」などという漠然としたキーワードだけを入力し、膨大なデータを前に戸惑ってしまい、もっとも知りたい事柄を見つけられないのです。

わかりやすいように、従来の検索方法、新しいトピックスを例に説明しましたが、AIが相手でも同じようなことが言えます。実際、チャットGPTも質問の仕方によって答えがかなり変わってくるようです。特に時事ネタは、さまざまな表現、専門用語で解説されていますので、それらをうまく取り込んでいくにはちょっとした工夫が必要なのです。

結局必要なのは、日本語の力、想像力と工夫を行う力、さらにはコンピュータに頼らずにある程度までは自力でさまざまなことを勉強する努力、といったことになるでしょうか。それらをある程度身につけていれば、AIを使う際の効率はかなり向上するはずなのです。

もう一点指摘するならば、文章を自力で書くことを心がける、ということも必要です。もちろん日本語に限らない話ですが、語学のスキルを上達させるには、作文がもっとも有効だからです。そういう意味でも、すべてをチャットGPTに任せてしまうのはあまり勧められる行為ではないと思うのです。

私はAIそのものが害毒だとは思っていません。しかし、賢く付き合っていかなければ、結局損をするのは自分なのではないでしょうか。

 

今回も、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。