明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常

元大学教員が綴るこれまでの経過と現在 。なお、入院と本格治療の経験については、00から34あたりまでをお読みください。 。

明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常43 がんの標準治療

こんにちは。

 

うっかり忘れていたのですが、昨日は各企業や官公庁の内定式だったはずですね。でも、多くの所ではリモート形式で行われたようで、参加した学生質には少しかわいそうな気がします。1年前にこれを経験した学生たちは、4月以降どれぐらい通常業務ができたのでしょうか。そして、どれぐらい、仕事について学ぶことができたのでしょうか。すでに社会人経験がある程度の年数ある方ならわかると思いますが、最初の数年って大事ですよね。

もちろん、各企業でさまざまな工夫がなされていると思いますが、将来を担う人材としての従業員教育にはしっかりと力を入れてもらいたいものです。社会人としての経験値は、リモートだけで高めることはできませんから。

 

ところで、今回の話題は「がん治療における標準治療」についてです。

以前にもご紹介しましたように、現在、多くの部位のがんいついては、いわゆる標準治療が確立されており、多くの医療現場では、これに沿う形で患者の治療が行われています。ちなみに標準治療とは、これまでの蓄積と科学的根拠に基づいた観点で、現在利用できる最良の治療であることが示され、ある状態の一般的な患者さんに行われることが推奨される治療をいいます。(国立がん研究センターがん対策情報センターによる定義)

また、日本消化器病学会では、これを「基本となるべき治療方法」としたうえで、「一般に標準という言葉から平均的といった連想をされる方が多く、標準があるならさらに上の級があるのではないかと思われる方も多いかと思います。しかし、標準治療とはその時代で最も良い、基本になる治療という意味で使われます。』としています。

つまり、西洋医学の進歩の中で、必ずしも最先端というわけではないかもしれないが、現在もっとも信頼して良い治療方法、選択肢の第一として検討されるべき方法ということになるでしょうか。簡単に書きましたが、これが確立されるためには、細胞レベルの実験から動物実験、そして数多くの臨床試験を経る必要があり、そんなに簡単なことではありません。ただ、標準治療と認められた治療法やそこで使用される薬品については、少なくとも日本ではその多くが保険適用の対象となっているため、金額面から見ても、推奨されるべきものと言えるのです。もちろん、これはあくまで治療のアウトラインに過ぎず、実際のどのように運用していくのかは、患者の状態を見ながら主治医の先生が決めていくことになります。

私の場合も、これまでずっと多発榮骨髄腫の標準治療に基づいて、実際の治療を受けてきています。ですから、引っ越しの関係で病院、主治医が変わっても、そこで戸惑うようなことはまったくありませんでした。あたらいい主治医の先生も、以前の先生の方針をきちんと踏まえて治療計画を立ててくれています。

しかし、「どうしても快方に向かわない」という悩みから、こうした標準治療に悩みをもってしまう患者も少なくありません。その場合、患者側が取れる選択肢はふたつです。

ひとつは、セカンド・オピニオンを受けること、そしてもうひとつは、必ずしも西洋医学に頼らない治療法を実践している医師を探すことです。

第一のセカンド・オピニオンについては、現在はこれを他の病院や医師に受けることは、患者側の当然の権利委として認められていますので、現在の主治医の先生の方針やその説明に疑問をもった時は、堂々とセカンド・オピニオンを受けたい旨伝えるべきです。もしそれに嫌な顔をする医師がいたならば、そのことだけで、その医師に対する信頼度は下がってしまいます。また、逆に、現在の主治医の先生に何の相談もなく他病院の医師にセカンド・オピニオンを求めると、もし、結局元の病院で診てもらうことになった場合、ちょっと気まずくなってしまう可能性があります。

要するに、医師とはできるだけコミュニケーションを密にし、信頼関係を構築していくことが重要なのです。そうでなければ、せっかくの標準治療も効果を発揮しないことがあるかもしれないのです。昔から「病は気から」と言いますが、それは本当だと思うのです。

さて、もう一つの方法、必ずしも西洋医学に頼らない治療ですが、そのもっとも代表的なものが、いわゆる民間療法です。しかし、これについて述べるには、文章が長くなりすぎました。

続きは次回に回したいと思います。

 

今回も最後前読んでくださってありがとうございました。しかも今回は、説明が長くなってしまって、若干読みにくかったかもしれませんね。申し訳ありません。これに懲りずに今後ともお付き合い願います。