明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常

元大学教員が綴るこれまでの経過と現在 。なお、入院と本格治療の経験については、00から34あたりまでをお読みください。 。

明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常160 PK戦への疑問

こんにちは。

 

昨日は、4週間に一度の血液内科の受診日でした。検査結果はまずまずで、現在の治療体制を継続して、新年を迎えることになりました。それはまあよかったのですが、年末が近づいてきたせいか、病院はかなりの盛況ぶりで、採血室など、いつもの2倍以上の行列ができていました。それはその後の診察や治療(注射)にも波及していて、結局、病院を出たのはいつもより1時間30分以上遅くなってしまいました。まあ、途中の待ち時間に、薬局に処方箋をファックスで送っておいたので、薬の受け取りは比較的スムーズでしたが、それでも疲れてしまいました。自分自身はたいしたことをしてないんですけどね。

診察室で、次の受診日を決めるのですが、主治医の先生が「次は4週間後の1月5日ですね・・・わあ、この日、たくさん入ってるなあ」と仰ったもので、またまたゲンナリ。次回も相当時間がかかること、確定のようです。

とはいえ、循環器内科の受診のため、来週も通院しなくてはなりません。まあ、こちらはさほど時間はかからないはずですが・・・

 

さて、気を取り直して本題に入りましょう。

サッカーのワールドカップ、日本が惜しくもPK戦の結果、次に進めないことになり、日本国内では、大騒ぎは少し収束しつつあります。それにしても、クロアチア戦の時の盛り上がりも凄かった。深夜12時キックオフということで、どうしようかな、と思いながら、まあ前半だけでも・・と考えていたのですが、あの緊迫した試合を途中で切り上げるということはできず、結局最後まで見てしまいました。寝たのは3時前だったでしょうか。

 

ニュースで見た話ですが、社員にサッカーを楽しんでもらうために、翌日の出社時間を2時間遅らせた会社があったそうですね。まあ、本音は社長自身がテレビを見たかったのかもしれませんが、残念ながら、2時間では決着はつきませんでした。この会社、どうしたんでしょうね。

今回は、サッカーやそれをめぐる報道に接してちょっと気になったことを、取り上げます。それはPK戦についてです。と言っても、日本対クロアチア戦のことではなく、もう少し一般的なことです。

そもそも以前から私は、この言葉に違和感を持っていました。両チームの誰も反則を犯しているわけではないのに、どうして「PK」という言葉を使うのでしょうか。そう思って、調べてみたところ、この方式は英語では”kicks from the penalty mark”つまり、本来ペナルティ・キックを蹴るポイントからの複数の選手によるキック、ということになります。これなら十分納得できます。これをもう少し上手に日本語訳することはできないものでしょうか。

サッカーのルールを巡っては、名称が変更された例はあります。例えば、現在「アディショナル・タイム(additional time」と呼ばれている時間、つまりプレー中に選手が負傷したり、何らかのトラブルがあったりして、審判が時計を止めた時、本来の時間に追加してプレーを続行させる時間のことです。これは以前日本では「ロス・タイム」と呼ばれて、それが一般的でした。しかし、これでは英語圏の人には何のことかさっぱりわからない、ということで、世界共通で使える用語である現在のものに変更されました。なお、「インジュアリー・タイム(injury time)」と呼ばれることもあるようですが、これは「損傷」という意味ですので、選手交代に費やした時間等も含めて運用するために、今ではほとんどの場合アディショナル・タイムという言い方になっているようです。

そんなわけですから、日本で慣れ親しんでいる名称でも、変更は可能なはずです。まあ、英語名称の頭文字を取ってKFPMもなんていうのはちょっと安易かもしれませんが。

 

名称のことはともかくとして、私はPK戦という決着のつけ方そのものにも少し疑問を持っています。それはキッカーとゴール・キーパーによる1対1の勝負です。つまり、サッカーという競技で必要なテクニックのひとつが使用されるものではあるのですが、チーム戦であるサッカー競技そのものとは大きく性格を異にするものです。そんな勝負を、そこまで120分にもわたってチーム戦を戦ってきた彼らに、スイッチを切り替えさせ、やらせるのはちょっと酷なことのような気がするのです。当然、プレッシャーも大変なものでしょう。そして、その戦いに敗れた方は、その最後の瞬間を必要以上に重いものとして受け止めてしまうとすれば、彼らの心労は想像以上のもののはずです。

ちなみに、サッカーの公式記録では、延長戦でも決着がつかなかった場合は、「引き分け」と記載されることになっています。つまり、PK戦は次の試合を行う権利を得るための新たなゲームであって、試合そのものとは切り離して考えるべきものなのです。ところが、サッカーのテクニックを使って、その雰囲気を引きずったまま行われるので、それらの結果全部をひっくるめて考えられたりすることになるのです。

ラグビーでは、スコアが同点の場合、やはり公式記録は「引き分け」となります。そしてトーナメント方式で、次の試合に進む権利がどちらにあるのか決めなければならない場合は、トライ数で決め、それも同じ場合は、抽選、コイントス等で決定するようです。

もちろん、コイントスなどというゲームによって決まってしまうことにかえって「非常」を感じる人も少なくありません。PK戦の代替策を考えることには多くの議論があるでしょう。しかし、少なくとも、PK戦でキックを失敗した人達に向かって、「練習が足りないんじゃないか」「プレッシャーに弱すぎる」などの罵詈雑言は止めるべきです。一般に、PKの成功率は80%を超えると言われています。ワールドカップに出場するような選手達なら、普段の練習ではほぼ百発百中でしょう。しかし、神経戦でもあるPK戦は他の練習とはまったく異なります。そして、あのような雰囲気を普段の練習場で再現することは不可能でしょう。どんなにメンタルが強いと思われている人でも、その場に立ったらどうなるかわからない。PK戦とはそういうものだと、私達も心に留めておくべきでしょう。

 

今回も、最後まで読んでくださりありがとうございました。

次回も、もう少しワールドカップ関連のことを書こうかな、と思っています。