明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常

元大学教員が綴るこれまでの経過と現在 。なお、入院と本格治療の経験については、00から34あたりまでをお読みください。 。

明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常219 天寿庵の紅葉

こんにちは。

 

ここ数日、ぐっと気温が下がってきて、急速に冬の足音が近づいていますね。前回、前々回と続けてクマの話を書きましたが、そろそろ冬眠に入るので、被害は減るのではないか・・・と思っていたら、専門家によると必ずしもそうでもないらしいです。秋の間に十分な食料を摂ることができずに冬眠しそこなっているクマや、肉食を覚えてしまったクマは、いわゆる「穴持たず」という状態になります。彼らは通常、体力温存のため、活動量はかなり減ってしまい、じっとしていることが多いようですが、たまたま人間が遭遇してしまった時には、食料を求めて襲ってくることがないとは言えないのです。こうした「穴持たず」がどの程度森の中にいるのかはよくわかっていないようですが、いずれにしろ注意は必要だということですね。

私が仕事をしていた大学は山を削ったところに立地していますので、しばしばクマ目撃情報が寄せられていました。大きな被害が出たことはないようですが、建物の中にまで入ってきてしまったこともあります。もともと白山系は比較的標高の低いところまでクマが下りてくるところなのですが、近年では大学、住宅街等が山に迫るところに建てられているため、必然的にクマの目撃情報が増えているのです。

私自身はクマに遭遇したことはありませんでしたが、5年ほど前にイノシシと出会ったことはあります。夜8時頃、帰宅するために、建物から外に出てバス停に向かっている時、イヌよりは大きな動物とすれ違ったので、あれっと思って振り返ると、それがイノシシだったのです。その距離わずか約1.5メートル。クマほどではありませんが、イノシシも興奮すると何をするかわかりませんし、人間を攻撃することも珍しいことではありません。ですから「見なかった」ことにして、あまり振り返らないようにして、その場を後にしましたが、よく考えるとかなり怖い経験だったような気がします。ちなみに、後ろを歩いていた女子学生たちは近づいて写真を撮ったりしていたようですが、あれは非常に危険な行為ですね。

 

さて、クマの話はこれぐらいにして、今回は話題をガラッと変えます。

京都でこのシーズンと言えばやはり紅葉です。いわゆる「紅葉の名所」は数えきれないほどありますが、先日、南禅寺塔頭である天寿庵を訪れました。場所は、有名な南禅寺三門のすぐそばで、創建は1339年。その後、何回か火事のため焼失したのですが、歌人としても知られる細川幽斎によって1602年に再建され、今に至っています。現在も細川家の菩提寺となっており、長谷川等伯の襖絵32面があることでも知られています。(ただし襖絵は非公開)

ここは周囲よりも少し色づきが早いようで、10日ほど前にすでにけっこう紅葉が進んでいました。小堀遠州の発案で作られた直線的なデザインが印象的な枯山水の庭園はその奥に見える木々が色づき始めていることとのコントラストが素晴らしかったですし、奥に広がる池泉回遊式庭園は、苔むした燈籠や手水とも相まって、紅葉と見事な一体感を見せてくれていました。ただ、この庭園、通路が大変狭く、人がすれ違うのにはけっこう配慮が必要です。また「映えスポット」がいくつもあるので、順路の途中で立ち止まって写真を撮る人も多く、そのたびに渋滞が起きてしまう、という欠点がありました。開門は朝9時ですので、訪れる場合は、開門直後がお勧めだと思います。ちなみに、私は朝8時45分頃に到着し、開門と同時にゆっくりと見てまわったのですが、10時頃に寺から出てくると、南禅寺境内の雰囲気が1時間前とはがらりと変わっていて、修学旅行生や外国人観光客で溢れかえっていたのに驚いてしまいました。

朝9時前の南禅寺三門は人もまばらです

南禅寺塔頭、天寿庵の門


枯山水庭園

 



同上

細い橋を通って、回遊式庭園へ このあたり、渋滞します

池泉回遊式庭園 ハスもきれいです

 

苔むした燈籠

苔むした手水

ここに限らず、寺や神社を訪れる際には、開門直後か閉門直前を狙った方が良いですね。

来週初めあたり、紅葉が散ってしまわない前にあと数か所、小さな寺院を訪れようかと思っています。それについては、またこのブログでご報告します。

 

今回も、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。