明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常

元大学教員が綴るこれまでの経過と現在 。なお、入院と本格治療の経験については、00から34あたりまでをお読みください。 。

明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常25 アミロイドーシス??

こんにちは。

 

今日は、病院で、7月の間受けていた、ダラキューロという新薬を軸とする治療の効果を見るため、検査を受けてきました。結果は良好。副作用もとくに出ていないということで、これからもしばらくの間、この治療を続けることになりました。まずは一安心です。なお、ダラキューロについては、また後日、詳しく説明します。

 

さて、昨日の続きです。2018年4月、私は突然倒れ、心肺停止状態という危険な状態に陥りました。早めに処置がなされたこともあって、命に別状はなく、後遺症などもありませんでしたが、結局2か月弱、入院することになりました。

原因は、簡単に言ってしまえば、不整脈ということになります。

不整脈は、主に心房細動と心室細動に大別されます。心房が血液を送り出す働きを失っても、心臓の血液拍出は保たれますが、心室がこの働きを失うと心臓停止の状態となりますので、後者の方が、はるかに危険性が高い、致死性の不整脈とも言われるのです。そして私の場合は、この心室細動でした。よく助かったものです。

では、心室細動が起きた原因は何なのか。実は、病院で検査は行ったものの、はっきりとした結論は出ていません。ただ、ふたつの可能性が示唆されています。それは、心筋梗塞とアミロイドーシスです。

心筋梗塞は、心臓が酸素不足になり壊死してしまう病気です。その原因は色々考えられるのですが、典型的なものとしては、高血圧やストレス等があげられます。これについては、ご存じの方も多いでしょうね。

アミロイドーシスという言葉は、おそらく聴きなれない方がほとんどでしょう。これは、アミロイドと呼ばれるナイロンに似た線維状の異常蛋白質が様々な臓器に沈着し、機能障害をおこす病気で、心臓にアミロイドが付着した場合は、心アミロイドーシスと呼ばれます。心臓の機能に障害が出るのですから、当然、不整脈の大きな原因になります。最近では、たしか、アントニオ猪木さんがこれに罹患したと思います。そして、これは、多発性骨髄腫の合併症として現れることが、時々あるようです。(必ずそうなる、というわけではありません。)

私の場合、もともと多発性骨髄腫の患者ですので、この心アミロイドーシスの疑いがあるのではないか、ということで、心臓の表面の断片を採取して検査が行われたのですが、その結果は陰性でした。ただ、採取した部分以外にアミロイドが付着していた可能性もあるため、たしかな結論は出なかったのです。

ただ、どちらが原因であるにせよ、放置しておくと、またもや不整脈が起きる可能性があるため、心臓のすぐ上にICD(植込み型除細動器)を呼ばれる機械を埋め込む処置が行われました。これは、心臓の動きを常にチェックするとともに、不整脈が起きそうになった時には直接強い電気ショックを与えることによって、危機を回避する、という機械です。スマホと同じぐらいの大きさで重さも約80グラムしかないのですが、大変な優れモノと言えるでしょう。たまたま見に来たベテランの先生(主治医ではありません)は、私の容態を尋ねるよりも、その機械の小ささに驚いておられました。ただ、これが作動して電気ショックが与えられると、とんでもなく痛いそうで、それは「馬に後ろ足で蹴られたようだ」とのことでした。そんな経験はないので、いまいちピンときませんが、とにかく、作動しないように、普段から激しい運動を避けるなどの自己防衛は必要なのです。

私も、アミロイドーシスという病気については、この時に初めて知ったのですが、多発性骨髄腫にそのような合併症を引き起こす可能性があることには本当に驚きました。まったく厄介な病気にかかったものです。

 

今日は病気の説明ばかりになってしまいました。あまり興味のない方は読み飛ばしてください。次回は、この2か月弱の入院の際に経験した、少し気楽な話題を書いていきますので、よろしくお願いします。

 

今日も読んでくださって、ありがとうございました。