明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常

元大学教員が綴るこれまでの経過と現在 。なお、入院と本格治療の経験については、00から34あたりまでをお読みください。 。

明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常33 またもや入院。でも・・・

こんにちは。

 

なかなか天候が回復しませんね。コロナと悪天候のダブルパンチのため、ふと気がつくと、8月になってから全く遠出をしていません。いつまでこんなことが続くのやら・・・と思っている方も多いでしょうね。

 

さて、気を取り直して前回の続きです。前回は、ダラキューロという新薬による治療を開始することになったところまで書きました。ただ、「はい、では今日からはじめましょう。」というように簡単にはいきませんでした。

ダラキューロという薬には、いくつかの大きな副作用が考えられます。その主なものとしては、3つが挙げられるようです。

①インフージョン・リアクション:いわゆるアナフィラキシーや寒気、気管支けいれん、呼吸困難などが起きることで、治験の結果では12.7%の患者さんにこのような症状が出たそうです。けっこう高い確率ですよね。

②骨髄抑制・感染症:好中球やリンパ球、血小板の数が減ってしまい、結果として肺炎などの感染症を発症することもあるようです。もともと免疫力が低下している私にとって、これはかなりの脅威です。

➂腫瘍崩壊症候群:がん細胞が破壊されるのは良いのですが、その副作用として、尿酸値が上がったり、腎臓からの尿の産生が減ったりすることが考えられるのです。これまでにも、薬の影響で尿酸値が上がったことはありましたので、これも要注意事項となります。

こういった様々な副作用が考えられることに加え、併用する薬の影響も見定めないといけないため、とくに第1回の注射の際は、最低24時間程度様子を見続ける必要があり、そのために入院することになったのです。

またもや入院、といっても今回はよほどのことがない限り短い期間の入院で済むはずでしたから、さほど心配はありませんでした。しかも、前日に病院から連絡があり、4人部屋のベッドが空かないため、急きょ個室に入ることになったのです。これは病院側の都合による措置だったので、個室使用料は不要、ということで、かなりラッキーでした。

さて、入院です。結果から書いてしまうと、結局今回の入院は5日で終わりました。

木曜日:入院、今後の治療計画の説明と簡単な検査

金曜日:ダラキューロの注射

土曜日・日曜日:病院は休みのため何もなし

月曜日:血液検査等で注射の影響を見る。結果、予想された副作用の兆候はまったく見られず、すぐに退院が可能であると判断される

火曜日:荷造りして朝一番に退院

という非常に余裕のあるスケジュールで、大半の時間は、個室で本を読んだり、音楽を聴いたりして気ままに過ごしました。しかも最速で退院することができたのです。何よりも、副作用がまったく出なかったことには、かなりホッとしました。

 

とは言っても、この治療は新しいうえに、かなり特殊なものでした。ダラキューロ注射の1時間前にはほかの3種類の薬を服用する必要がありますし、注射は腹部に行うのですが、3~5分かけてゆっくりと薬を入れていく、ということが定められているのです。看護師さん達もそんなに長くかかる注射の経験はあまりないらしく、5人ほどが注射の様子を見学に来ました。ちなみに、この病院では私がこの治療を受けた第1号だったそうで、私への注射の経験をもとにして、翌週には講習会が開かれたそうです。

また、この入院期間の私の担当医ですが、なんと、血液内科の部長先生と副部長先生、という豪華ダブルキャストだったのです。こうしたことからも、この治療開始が病院にとって大きな出来事だったのがよくわかりますね。まあ、私としては「大船に乗った」気分でいられましたので、大変リラックスできました。

 

今日はここまで。

そういうわけですので、ダラキューロによる治療はこれからも続いていきます。その様子については、適宜このブログで報告します。

 

今日も最後まで読んでくださって、ありがとうございました。