明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常

元大学教員が綴るこれまでの経過と現在 。なお、入院と本格治療の経験については、00から34あたりまでをお読みください。 。

明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常151 ハロウィンだけど・・・

 

こんにちは。

 

ハロウィンが終わり、11月になって、いよいよ「今年も残すところ・・・」という季節になってきました。ところで、ハロウィンという行事の元来の意味をご存じでしょうか。多くの人がキリスト教の行事だと思っているのですが、実は、起源までさかのぼると、そうではないのです。

たしかに、ハロウインHalloween)という言葉自体は、キリスト教における「すべての聖人の日の前日」(All Hallow’s Eve)という言葉を短くしたものです。(「聖人の日」そのものは11月1日で、万聖節とも呼ばれます。)ヨーロッパではかなり長い伝統があります。そしてこの時期、現世に戻ってくる死者を慰めるために行われるのがハロウィンでのさまざまな行事です。

しかし、その起源は2000年以上も前の古代ケルト人、つまり今のアイルランドに住む人々の土着信仰にまで遡ります。彼らにとっては、10月の終わりとは「夏の終わり」であり、秋の収穫を祝うとともに、悪霊を追い払う宗教的行事がこの時期に行われていたのです。暦の上では、10月31日が一年の終わりの日であり、現世と来世の境界が弱くなり、死者が家族の元に帰ってくる日と考えられていたのです。そしてこの時、死者とともに悪霊もやってくるため、それから身を守るために火を焚いたり、仮面をかぶったりしたのです。

また、ハロウィンと言えば子供たちが家々を回ってお菓子を貰うという風習がありますが、これは、死者に供え、また、子供たちや貧しい人々に与えられていた「ソウル・ケーキ」に端を発するもののようです。

ここまでの説明で何となくおわかりになったでしょうか。そうです。これは日本の風習に例えるならば、「盆と正月が一度にやってきた」ような行事なのです。現代ではかなり様子は変わってしまいましたが、このように考えると、「大騒ぎするのも無理ないなあ」と思ってしまいます。

そんな呑気な事を考えていたら、韓国のソウルで大変悲惨な事故が起きてしまいました。さらに、その翌日、インドではつり橋の落下で130名もの方が命を落としました。(こちらはハロウィンとは無関係ですが)

今年は世界中でコロナ禍による自粛から解放されたためか、各種行事が大変にぎやかに行われており、その参加人数もかなり多いようです。しかし、コントロールしきれないほど多数の人が一か所に集まり、密集することの危険性を改めて思い知らされます。亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、決して他人事とは考えず、私達は何らかの行事に参加する際にどのような心構えが必要なのか、しっかり考えるべきでしょうね。

 

さて、話は変わりますが、私は今日、PET-CTという検査を受けてきました。ここ数か月のigAその他の病気のマーカーとなる数字が少し上昇してきているため、詳しい検査を受けた次第です。

PET-CTと言っても、聞きなれない方がほとんどだと思います。これは、がん細胞が正常の細胞に比べて、多くのブドウ糖を取り込むという性質を利用して、ブドウ糖に似た成分の検査薬(FDG)を注射で体内に投与したうえで、特殊なカメラで撮影することによって、がん細胞の様子を検査するものです。FDG投与後、それが体内にいきわたるまで一時間ほど待たなくてはならないため、所要時間は全部で2時間30分~3時間かかるのですが、これによって、がんの有無や進行状況、主な罹患位置などを知ることができます。多くの種類のがんについて調べることができるようですが、膀胱がんや尿管がん、腎臓がん、肝細胞がん、前立せんがんなどは発見するのが難しいとされています。

FDGは放射性物質を含んでいるため、検査する側は慎重に扱う必要がありますが、検査を受ける側は、痛み等はまったくなく、負担が非常に少ない検査方法とされています。ただ、費用がやや高めであること(約3万円)、検査をできる医療機関がかなり限定的であるといった理由のために、さほど一般的なものとはなっていないようです。(ちなみに、PET-CT検査の体制を整えている医療機関は、東京都内でさえも全部でわずか45か所、大阪府では16か所に過ぎません。検査機関がひとつもない都道府県も多数あるようです。)

そういうわけで、私もやや緊張気味に、はじめて訪れる医療機関で検査を受けたのですが、ゆったりした施設であるうえ、スタッフの方々も丁寧で、まったくストレスはありませんでした。

なお、肝心の結果は来週にならないとわかりません。こればかりは、祈るしかないですね。

 

今回も、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

本来なら今回書く予定だった山陰旅行編の3回目は、次回に譲ります。