明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常

元大学教員が綴るこれまでの経過と現在 。なお、入院と本格治療の経験については、00から34あたりまでをお読みください。 。

明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常154 5回目のワクチン接種

こんにちは。

 

最近は新型コロナ・ウイルスの新規感染者が明らかに増加しつつあり、研究機関(名古屋工業大学の研究グループ)の試算では、来年1月頃にピークに達する可能性が高いとのことです。しかも、今年はインフルエンザの大流行の予想されており、同時感染という事態も起きうるそうですから、その面では気の抜けない年末年始になりそうです。

そんな中、先日5回目のワクチン接種を受けてきました。前回の接種が8月10日頃だったので、現在基準とされている3か月を経過してすぐの接種ということいなります。

政府の発表によると、11月16日現在で、1回のワクチン接種を受けた人は日本国民全体の81.4%、2回接種済みの方は80.4%となっています。おおよそ8割程度でこの数字が止まるであろうことは、他国の経験からも予想されていた通りだと思います。持病やその他のやむを得ない理由によりワクチン接種ができない人々は一定数いらっしゃいますし、もともとワクチンに対して懐疑的な人や「陰謀説」を信じている人の存在を考えると、これ以上の引き上げはやや難しいのかもしれません。

ただ、3回接種済みの方は、66.6%にとどまっています。また、4回目、5回目に関しては、高齢者中心の接種となっていますので、国民全体の割合を示すことに意味はありませんが、私のような5回接種済みの方は、いまだに約317万人にとどまっているようです。

3回目以降の接種に躊躇している人達があげている理由としては、やはり副反応への警戒感がもっとも強いようです。それ以外では、現在のワクチンがどんどん新しくなっているウイルスに対して有効なのかどうか、という疑問を呈する人も少なくないようですね。

ただ、副反応に関しては、これまでの調査によると、一般に恐れられているほど高くないようです。例えば37.5度以上の発熱を経験した方は2~3%に過ぎないようです。また、注射部位の痛みや倦怠感を感じる人の割合はかなり高いようですが、ほとんどの場合、接種後2日程度で収まっているようです。ただ、発熱に関しては1回目よりも2回目の方が割合はかなり高くなるようなので、その経験から3回目接種に躊躇する気持ちも、十分理解できる話ですね。

もちろん、接種するかどうかは個人の自由ですし、すべて自己判断に委ねられていますので、接種していない人達に対して非難めいたことを言うつもりはまったくありません。実際、今のワクチンが本当に効果のあるかどうかは、もっと時代が進んで、きちんとした検証がされなければ、はっきりしたことはわからないのも事実です。このブログで何回か紹介してきましたが、過去において正しい薬あるいは治療法とされていたものが、さまざまな弊害をもたらし、後に使われなくなった例はいくつもあるのです。(第36回ではサリドマイドについて、そして第48回では中世のヨーロッパで痛み止めとして広く使われていた水銀について書いています。よろしければご覧ください。)

ただ、今の段階では接種したほうがしない場合よりも感染する確率は低い、またたとえ感染した場合も重症化するリスクは低い、とほぼすべての専門家はコメントしていますので、それを信じるほかないでしょう。

それよりも大事なことは、そもそも何のためにワクチン接種を受けるのか、ということです。それはもちろん自分が感染しないため、というのが主な目的になるのでしょうが、同時に、感染しても発病していない場合、それを知らずに他人にうつしてしまうことを避けるためでもあります。つまり、自分のためであると同時に、周囲の人々や社会全体のためでもあるのです。

もう一点、副反応のリスクについてですが、たしかに実際に高い発熱や重い倦怠感等に見舞われた人のことを考えると「お気の毒でした」としか言えないのですが、そのリスクよりも発病して、それが一応収まった後も後遺症に苦しむ、というリスクの方がはるかに恐いのです。公表されているデータを見ると、日本でも他国でも、発病した人の30%以上がなんらかの後遺症に苦しんでいるそうです。また、後遺症は悪くすると数か月間も続き、仕事や日常生活に支障が出る場合もあるのです。副反応のほとんどは数日で収まる事と比較すれば、どちらのほうがマシであるのか、明らかではないでしょうか。

そんなわけで、私は、とくに事情がない限り、なるべくワクチンの接種は受けた方がよいと思っています。この先、いったい何回このようなことがあるのかわかりませんが、「ウィズ・コロナ」の時代に活動していくには、ただ「必要以上に怖れない」だけでなく、自分ができること、するべきことは何なのか、きちんと考えて行動すべきだと思うのです。

 

今年は紅葉の進むのがずいぶん早いような気がします。この調子だと、冬の到来も早いのでしょうか。今からその備えも必要ですね。

京都・今熊野観音寺

紅葉は今が盛りでしょうか