明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常

元大学教員が綴るこれまでの経過と現在 。なお、入院と本格治療の経験については、00から34あたりまでをお読みください。 。

明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常171 2類か?5類か?

こんにちは。

 

大変強い寒波がやってきているようで、北日本だけでなく、日本中で降雪の予報が出ていますね。気温もかなり低くなることが予想されています。気象庁は「10年に一度の・・・」と警戒を呼び掛けていますが、個人的には5年前、2018年の大雪が強く印象に残っています。下の写真はその時の、私が勤務していた大学のキャンパスの様子です。今見ても、凄まじいですね。よくこんなところに通勤していたものです。当時、ちょうど試験期間中だったのですが、さすがに大学側はすべての授業・試験を行わないことにしたものです。

雪に覆われた大学キャンパス


私はマンション暮らしで、自動車は持っていなかったのですが、一軒家住まいで自動車通勤している人は大変です。朝起きると、天気が悪くなければ、まず屋根の雪下ろしです。それが終わると通勤したいところですが、駐車場も雪に埋まっていますので、公道に出るまでの通路を確保するため、またもや雪かきです。やっとの思いでそれが終わって、渋滞でまったく前に進まない道をノロノロと会社に向かうと、今度は会社の駐車場の雪かきが待っています。大体これだけで昼過ぎまでかかってしまうのですが、こんな日に来客はあるはずありませんので、午後はぐったりとしたまま過ごします。そして夕方になるとまたノロノロと帰宅することになります。そんな合間にもどんどん雪は容赦なく降り積もったりするわけです。北国の労働生産性が低いとしたら、こんなこともひとつの要因かもしれません。

北海道や東北、北陸にお住いの知り合いの方がいらっしゃれば、お見舞いの言葉をおくるだけでなく、シップ薬と簡単に用意できる食品でも送ってあげてください。(笑)もっとも、高速道路や国道が閉鎖されていて、宅配便はなかなか届かないかもしれませんが。

 

さて、岸田首相は先日、新型コロナ・ウイルスによる感染症感染症法上の位置づけをこれまでの2類相当から季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げる方向で検討を進めることを表明しました。移行時期は4月または5月になるそうです。政府のコロナ対策はこれによって大きな方向転換となるのでしょうか。また、私達の生活はどのように変化するのでしょうか。

 現行の感染症法では、下の表のような分類が行われています。これを見ると、これまでの2類相当というのは、結核等と同等の扱いで、その危険性がかなり重大視されていたことが改めてよくわかります。

厚生労働省の資料より

 

ただ、2類「相当」となっているのには意味があります。下の表は、現在の措置を日本経済新聞がまとめたものですが、「外出自粛要請」「健康状態の報告」「無症状への適用」に関しては法的措置である2類よりも厳しい措置が取られてきたのです。それだけ、このウイルスの脅威がすさまじかったことを示しています。未知のウイルスだったため、止むを得なかったとは思いますが、感染症が広がりつつあった3年前のゴールデン・ウイークの閑散とした雰囲気は、ちょっと異様な感じがしたものです。

日本経済新聞によるまとめ


それだけ厳しい措置を取っても、感染症はやはり拡大してしまい、現状で第8波にまで至っています。ただ、ワクチンの開発は進み、新薬も間もなく実用・普及する段階にまで来ている現在、これをそのままにしておくことはあまり意味がないことなのかもしれません。

しかし、5類になったと仮定して、この表に当てはめると、就業制限はできなくなり、医療費の公的負担もなくなります。これが、私達の生活に新たに大きな負担となることは間違いありません。5類に引き下げるということは、少し荒っぽく言えば、政府としては「調査を行い、その結果を公表だけで、現場で行われる患者への治療やその生活には関知しない」ということなのです。たしかに、例えば現在無料で行われているワクチン接種をいつまで公的な負担で行い続けるのか、というと「そろそろ止め時かな」と感じないでもありません。費用面での負担はもちろんですが、集団接種のための会場・人員確保は相当の負担になっているはずです。こんなことを延々と続けられるのか?という疑問が出てくるのは当然でしょう。

ただ、ウイルスがどんどん変異する中で、私達への感染リスクが減ったわけではありません。また、高齢者や免疫力が低下している人が感染・重篤化してしまう危険性は、これまでと何ら変わっていません。ですから、医療関係者の間でも歓迎する声がある一方で、不安や懸念の表明が相次いでいる状況なのです。

私たちは、今後どのように「withコロナ」の社会で暮らしていけばよいのでしょうか。結局のところ、これまでよりもさらに冷静かつ慎重な自己判断が求められるということに尽きると思います。マスクの脱着にしても自分で判断するしかなくなるのです。

ただ、医療機関の体制がきちんと保たれるかどうかは、私自身も非常に不安を感じています。もちろん「やってみないと、どうなるかわからない」こともあるでしょうが、人の生死にかかわることである以上、少しでも医療体制逼迫の兆候が見られれば、素早い対応ができるように、警戒態勢を解かないでもらいたいものです。また、就業制限については、勤務先によってあまりにも対応が異なってしまうことは問題です。これは季節性インフルエンザについても同様なのですが、「熱がたいして上がっていないのなら、甘えていずに、出社してこい」などと乱暴なことをいう事業所が出てこないように、ある程度の規制はかけてもらいたいものです。

この問題はもう少し議論が深まってから実際の対応が決まるでしょうから、その経過を注意深く見守っていきたいですね。

 

今回も、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。