明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常

元大学教員が綴るこれまでの経過と現在 。なお、入院と本格治療の経験については、00から34あたりまでをお読みください。 。

明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常06 コミュニケーションは活力源

こんにちは。

今日は、通院して3回目のダラキューロ注射を打ってきました。これで1サイクル目は終了。来週は、新型コロナ・ウイルスのワクチン接種が予定されているため、治療はいったんお休み。効果が少しでも表れていると良いのですが。

 

 

さて、前回の投稿で、私は入院中の病院スタッフとのコミュニケーションをお勧めする趣旨のことを書きました。でも「そういうの苦手なんだよなあ」という方がいらっしゃるのも当然だと思います。

私も、実は、そんなに社交的な性格というわけではありません。職業柄もあるのでしょうが、例えば一日中ほとんど誰とも話をせずに、本を読んでいても、別に苦痛に感じることはありません。見ず知らずの人といきなり打ち解けて話をするというのも、そんなに得意ではありません。ただ、気心の知れた人と冗談を言い合うのは大好きです。

 

そんな私の経験から言えるのが、「人とコミュニケーションを取り、色々と話をすることが、心のもやもやを少しでも晴らし、明日も生きていこう、と考える力の源になる」ということです。

以前書きましたように、私は自分の指導するゼミの学生質には、かなり早い段階で、すべてを話しました。すると、病気の話は瞬く間に卒業生たちにも広がっていったのです。このゼミは、タテの繋がりが大変強いため、現役学生質がSNSを通じて伝えてくれたようです。

そのため、6月中旬頃から、彼らが面会に来てくれるようになりました。一時は、毎週週末、千客万来で、治療の行われる平日よりもよほど忙しい、という変な現象が起きました。後日数えてみたところ、直接来てくれた人、メールや電話をくれた人、グループでビデオレターを作ってくれた人など、合わせると、延べ百数十名がコミュニケーションをとってきてくれたのです。なかには、卒業以来全然会っていなかった人もかなりいて、久しぶりにゆっくりと話をすることができました。

これは本当にうれしかったです。自分一人で鬱々とものを考えていると、知らず知らずのうちに負のスパイラルに陥ってしまうことがよくありますが、他人と色々会話したり、コミュニケーションを取ったりしていると、それがたとえ軽い冗談であっても「自分が社会とつながっている」ということを実感し、その先に明るい光が差しているような気分になれるものなのです。

 

自分のこういう経験があったからこそ、院内スタッフも含めて、コミュニケーションを大切にしましょう、と強く言いたいのです。

 

なお、看護師さんたちは、面会客の様子は見て見ぬふりをしていますが、実は、かなりきちんと観察しておられるようです。患者が普段どんな生活をし、どんな人たちとつきあっているのか、面会客を見ればおおよそのことは判断できるからでしょう。

ちなみに、私の場合は、後日雑談の中で「学生さん達、みんなしっかりしてますね。」と言ってもらいました。これは、自分のこと以上にうれしかったものです。やってきた教育が間違っていなかった、というのは言いすぎでしょうか。 笑

 

現在は、コロナ禍のため、ほぼすべての病院で、入院患者に対する面会は禁止されています。でも、ワクチンが普及し、効果的な治療薬が開発されれば、それほど遠くない将来、以前のように面会(お見舞い)はできるようになるはずです。その時には、他の患者さんに迷惑がかからないように気をつけながら、どんどん来てもらってよいのではないでしょうか。もちろん、体調の悪いときは遠慮なく断ってください。何せこちらは「病人」なのだから、「拒否しやがって・・」と怒る人はいないはずです。

そう、無理なことは無理、と言って甘えるのも、コミュニケーションのひとつですよ。

 

それでは。