明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常

元大学教員が綴るこれまでの経過と現在 。なお、入院と本格治療の経験については、00から34あたりまでをお読みください。 。

明日を生きる多発性骨髄腫患者の日常07 副作用あれこれ

こんにちは。

今日は、やたらとしゃっくりが出る日です。しゃっくりの止め方の代表的なものとして、ゆっくり深呼吸する、ゆっくりコップ一杯の水を噛むように飲む、というのがありますが、両方とも効かないで、今もヒックヒック言いながら、これを書いています。

先週、先々週とも、程度は異なりますが、やはりしゃっくりが出ていました。

これって、ダラキューロの副作用のひとつなんでしょうかね? ネットで調べてみたけど、よくわからないです。

 

そういうわけで、今日は化学療法(抗がん剤の使用)にともなう副作用について、自分の初期段階での経験(治療開始の6月から約2か月)を書いていきます。例によって、箇条書きにします。

1. 抜け毛

これは、もっともよく知られていますね。私の場合も7月頃からシャンプーをしているとごそっと抜ける、ということが起きました。ただ、もともとそんなにふさふさした髪の毛ではありませんでしたので、精神的ダメージはほとんどありませんでした。それに、完全にツルツルになってしまったわけではなく、退院する頃には、かなり戻っていました。

ただ、外見上もっとも顕著に表れる副作用なので、気にする人は多くいます。とくに女性はそうでしょう。最近は、そういう要望に応えて、医療用ウイッグがかなり普及するようになりました。どのぐらいお金をかけるかにもよるのでしょうが、なるべく元のヘア・スタイルに近づけてくれるようです。そこまでしようと思わない、という方は、帽子でおしゃれしましょう。私も、帽子は10個近く持っています。

なお、抜け毛は髪の毛だけで起きることではありませんで、そのつもりで。

2. 発疹

私は、治療開始後1か月ほどで左右の腕と足の付け根付近に、軽い発疹が出ました。ただ、痒くてどうしようもない、というほどではありませんでした。血液内科をもっているような規模の大きな病院ならば、必ず皮膚科があるので、主治医の先生とも相談して皮膚科で診療を受けてください。患部の断片を採取して、どの薬のせいで発疹が出ているのか、突き止めてくれるはずです。その結果、若干薬を変更する必要が生じることもあります。(私も、一種類の薬を中止しました。おかげで、大したことにならないで済んだのだと思います。)

3 味覚障害

食べても「味がしない」というやつですね。私は、この時点では大丈夫だったのですが、9月以降の治療で、やられてしまいました。そんな時は、味の濃い物なら何とかそれを感じて食べられるのですが、味の薄いもの、繊細な味付けのものはだめでした。

今でもよく覚えているのでが、家族が差し入れで持ってきてくれた玉子サンドが、その時の私にとっては最悪でした。想像してみてください。何の味もしないのに、あのムニョムニョした触感だけが口に入ってくるのです。食べ物とは思えませんでした。

4. 食欲不振

多分、この時点で食欲不振に陥る人はほとんどいないだろうと思います、私も大丈夫でした。ただし、別項で書きますが、9月以降はかなりきついのがやってきました。

5. 手足のしびれ

これは、けっこうな確率でやってきます。手に出るか、足に出るかは、人によって異なるようですが、私は両足の指の付け根と足の裏に来ました。ひどくなると、痛みを伴うようになり、最悪歩行困難になってしまうようなので、注意が必要です。それと、この「しびれ」というやつはかなりしつこくて、完全に消えるには年単位の時間がかかることもよくあるようです。

 

この他、典型的な副作用としては口内炎があげられますが、私はまったく無縁でした。

 

抗がん剤というのはがん細胞にダメージを与えるものですが、正常な細胞もまた大きなダメージを受けることになってしまうので、ある程度の副作用は、しょうがないことのようです。また、比較的早期に症状が現れるアレルギー反応とは異なり、投薬を続けているうちに次第に出てくるものも多いので、中長期にわたって注意が必要なのです。

 

病室を定期的に巡回してくれている薬剤師さんに聞いたのですが、製薬メーカーから配布される注意書には、治験中に起きたアレルギー反応や副作用について、非常に細かに記述されているそうです。一件でも事例があったものについては、とにかく記載しておくということだそうで、これは、メーカーのリスク管理という観点からすれば、間違ってはいないと思います。ただ、そうすると副作用の書いてある欄があまりにも膨大になると、これを使用しようとする医師の方が適当に読み飛ばしてしまう、ということが起きかねないようです。むずかしい問題ですね。

 

ただ、どんな副作用も、それによって直接生命の危機が訪れるということはめったにありません。だからこそ、多少のリスクがあっても、抗がん剤が幅広く利用されているのです。患者側にできることは、自分の体の変化を敏感に感じ取って、主治医の先生や看護師さんにきちんと伝える、ということしかありません。

 

今日はここまで。それでは、また。